日経サイエンス  2007年2月号

人間の“心”とは何か

日経サイエンス編集部

 心とは何だろう?人間はいつから心を持つようになったのか?わかっているようでいながら,考えれば考えるほどわからなくなる。動物学や文化人類学,脳科学,哲学などさまざまな立場から心の謎に迫るフォーラム「人間の“心”の発生と進化について」が東京で開かれた(主催:国際花と緑の博覧会記念協会・日経サイエンス社)。

 

 フォーラムではまず,コーディネーターの村上陽一郎国際基督教大学大学院教授が,デカルトが考えた「心」と「身体」の関係などを紹介して問題提起し,長谷川眞理子総合研究大学院大学教授と小山修三国立民族学博物館名誉教授,甘利俊一理化学研究所脳科学総合研究センター長,野矢茂樹東京大学大学院総合文化研究科助教授によるプレゼンテーションの後,討論に移った。

 

 「動物行動学から読み取る心の進化」「ヒトの心のありようと複雑化する石器との関係」「心を持つロボットは作れるか」「違和感を持つことから気づく心の存在」などさまざまなテーマでの議論を通じて,とらえどころがない「心」の輪郭が少しずつ浮かび上がってきた。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

デカルト心身二元論松果体仮説アニミズム認識地図直観心と魂アニミズム