日経サイエンス  2004年12月号

特集:アインシュタイン「奇跡の年」から100年

自ら記した統一理論の夢

科学哲学

G.マッサー(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

 アインシュタインが統一理論に取り組み始めたのは1920年代の初めのことだ。量子力学が登場したばかりの時代で,ゲージ対称性や余剰次元といった新しい概念が次々に紹介され,物理学は全体を包括できる大きな枠組みを求めて活気づいていた。
 しかし,次々と統一理論を発表しては撤回を繰り返すアインシュタインに対し,物理学者の多くは相対論に基づいたアプローチでは統一理論構築は無理だと考えるようになる。アインシュタインの死後,統一理論への出発点が量子力学にあることが共通認識されるようになった。
 この記事では,アインシュタインがSCIENTIFIC AMERICAN1950年4月号に寄稿した原稿を引用しながら,彼の科学に対する考え方を紹介する。「理論的アイデアは,経験と無縁でもなければ,経験から導かれるものでもない。創造的行為によって生み出される」と述べる。重力を無視した統一理論の構築を断固として拒否したアインシュタインだったが,いまなお重力は孤独だ。




再録:別冊日経サイエンス247「アインシュタイン 巨人の足跡と未解決問題」

原題名

Forces of the World, Unite!(SCIENTIFIC AMERICAN September 2004)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

一般相対論対称性統一理論重力量子力学電磁気力