日経サイエンス  2004年8月号

サイエンス・イン・ピクチャー 

中国大陸に恐竜を探る

文:吉川和輝 写真:剣持常幸(日本経済新聞社)

 中国の恐竜研究が一躍脚光を浴びている。アジア最大級の恐竜化石や四肢に羽根を備えた「羽毛恐竜」の化石が見つかるなど,新発見が相次いでいるからだ。これら一連の研究をリードしてきた中国科学院・古脊椎動物古人類研究所の董枝明(ドン・チミン)教授と徐星(シュウ・シン)教授に最新の状況を聞いた。

 

 董教授は2001年に発見されたアジア最大級の恐竜チュアンジエサウルスの発掘を指揮した。発掘現場は中国南部の雲南省禄豊県川街郷は省都・昆明の西に位置する。地層はジュラ紀中期の1億6000万年前のものだ。北米でディプロドクスやブラキオサウルス,セイスモサウルスなどの大型草食恐竜が発掘されているが,これらはジュラ紀後期の地層から見つかっている。チュアンジエサウルスはこれより約1000万年古い。従来考えられていたよりもかなり早く竜脚類恐竜の大型化が進んでいたことが,今回の発見でわかった。

 

 チュアンジエサウルスと並び,中国の恐竜研究での最近の注目点は中国東北部・遼寧省での相次ぐ羽毛恐竜の発見だ。前肢だけでなく後肢にも羽根がついたミクロラプトル・グイが発見された。徐星教授によると,単に滑空するのではなく羽ばたいて飛翔する能力があったと考えられる。

 

 7月16日に千葉・幕張メッセで開幕する「驚異の大恐竜博」(日本経済新聞社など主催)では中国の恐竜化石標本が多数出展される。

吉川和輝(よしかわ・かずき)
日本経済新聞科学技術部編集委員。

剣持常幸(けんもち・つねゆき)
日本経済新聞写真部記者。

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