日経サイエンス  2004年1月号

特集:ロボットから人間を読み解く

編集部

 ヒューマノイドを通して人間を科学的に解明する──。日本では,多くの科学者がこう考えて研究に取り組んでいる。人間並みの運動能力や知性,感情,意識を人工的に実現しようと,それらの本質を突き詰めていくと,最終的に「人間とは何か?」という問いにたどり着く。ゲノムがミクロの世界から人間を知る武器だとすれば,ヒューマノイドはマクロの視点から人間の機能を検証する有効な道具と言えるだろう。
 この特集では,ヒューマノイド研究を通して見えてきた人間の本質について,国内の第一人者にさまざまな視点から解説してもらった。「工学が明かす身体の巧妙さ」はロボット研究者が見た身体構造の不思議さを取り上げた。「機械はコツを身につけられるか」では模倣の観点からとらえた運動や学習のコツについて,「“情”が作る真のコミュニケーション」では人間とロボットが心を通わすために必要な条件にそれぞれ迫った。最後に,ロボットの未来を「ヒューマノイド進化のシナリオ」で考えた。(編集部)