
天の川銀河にはおよそ200の球状星団がある。円盤状に渦を巻いた銀河を大きく取り囲む球形の領域(ハロー)に散らばる球状星団には,普通なら星が1個あるかどうかの空間に100万個もの星がひしめいている。球状星団は他の銀河でも,だいたい同じような状況だ。これまでに見つかっていた球状星団には,一つの共通項があった。銀河自体とほとんど同じような時期に生まれ,極めて“高齢”だという点だ。
ところが最近,ハッブル宇宙望遠鏡など観測手段の発達で,ずっと若い球状星団があることがわかってきた。これが何を意味するのか,どうしてそんなに若い星団が生まれてきたのか――。急速に進み始めたその謎解きは,銀河の歴史について私たちに新たな目を開かせてくれそうだ。
著者
Stephen E. Zepf / Keith M. Ashman
球状星団に関する共同研究に着手したのは,2人が米国のボルティモアにいたときのこと。当時,ゼフはジョンズ・ホプキンス大学の大学院生,アシュマンは宇宙望遠鏡科学研究所の博士研究員だった。現在,ゼフはミシガン州立大学で物理学と天文学の教授を務めている。自らが育った米国中西部に戻ってくるまでは,米国の他の地域や英国で研究していた。ロンドン出身のアシュマンは最近,ミズーリ大学カンザスシティー校物理学部の教授団に加わった。猫のズートと共にカンザス州ローレンスに住み,余暇にはガーデニングやベースギターの演奏を楽しんでいる。
原題名
The Unexpected Youth of Globular Clusters(SCIENTIFIC AMERICAN October 2003)
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