日経サイエンス  2004年1月号

短期集中連載:ゲノムが語る進化の謎

 ヒトゲノムの解読が終わり,その遺伝子の数は予想の10万をはるかに下回る約3万だとわかった。体長1ミリ以下で約1000個の細胞からなる線虫の遺伝子数(1万5000個)のわずか2倍にすぎない。体の大きさや複雑さを考えると,ヒトの遺伝子数はずいぶん少ないように思える。一方で,ヒトとマウスなどは,外見の違いほどには遺伝子の違いはないようだ。生物の形態などの多様さを,ゲノムでうまく説明できるのだろうか。3回にわたり,3人の著者にそれぞれの自説を紹介してもらう。(編集部)

 

遺伝子の退化がヒトを生み出した(2004年1月号掲載)
生き物の形はどのように決まったのか(2004年2月号掲載)
遺伝子はどのように多様な生物を作ったのか(2004年3月号掲載)