
昨年,一昨年と大規模な噴火をして地元シチリア島の人々を驚かせた欧州最大の火山「エトナ山」。その噴火活動は3000年前から伝承や古い記録などさまざまな形で伝えられているが,最近の研究によってエトナ山が比較的穏やかな火山から激しい噴火をする危険な火山へと変質しつつあることがわかってきた。実はこの地域はいくつかのプレートが重なり合いぶつかり合っている複雑な地下構造をもっていることが知られている。迫力のある美しい噴火の写真とともに,エトナ山のある地中海シチリア島の地下深くで何が起きているのか,なぜ危険な火山に変質しつつあるのかを,最新の研究成果から紹介する。また,富士山はエトナ山と共通点が多いと言われるが,東京大学地震研究所の藤井敏嗣教授(火山噴火予知連絡会会長)に寄稿をお願いし,富士山の近未来の噴火活動についても紹介してもらった。
著者
Tom Pfeiffer
デンマークのオーフス大学地球科学科の大学院生。近年,頻繁に発生した噴火活動を写真にすることで,エトナ山に精通するようになった。キラウエア火山のハワイ火山観測所や,ナポリのベスビオ火山観測所で研究に取り組んできた。学位論文のテーマは,紀元前1645年ころ地中海東部サントリーニ島(ギリシア)を破壊したミノア噴火に関する研究。
原題名
Mount Etna's Ferocious Future(SCIENTIFIC AMERICAN April 2003)
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