日経サイエンス  2003年2月号

ノーベル化学賞 田中耕一島津製作所フェローに聞く

質量分析は縁の下の力持ち 「もっと世の中の役に立ちたい」

語り:田中耕一(島津製作所) 聞き手:高木靱生(日経サイエンス編集長)

 「失敗を失敗とも思わずにやってきたことが,本当に運よく新しい発見につながった」——。2002年のノーベル化学賞を受賞した島津製作所フェローの田中耕一氏は,思いのほか早口でこう話す。子どもの頃に味わったモノづくりの面白さがエンジニアの原点だという田中氏は,どのようにしてプロの研究者としての自信を身につけ,入社わずか2年にして今回の受賞対象となったマトリックス支援レーザー脱離イオン化法の開発にたどり着いたのか。そして日本の未来を,また若者の夢や科学技術の現状をどう見ているのだろうか。質量分析にかける熱い思いとエンジニアとしての志と併せて,田中氏に聞いた。

語り:田中耕一(たなか・こういち)
1959 年8 月3 日富山市生まれ。83 年東北大学工学部電気工学科卒,島津製作所入社。中央研究所,英国関連会社出向,分析計測事業部ライフサイエンス研究所主任などを経て2002 年11 月から現職。タンパク質などの質量分析を可能にしたマトリックス支援レーザー脱離イオン化法の開発が評価され,ノーベル化学賞を受賞。

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