
「運がよかったんです」――。今年のノーベル物理学賞に決まった東京大学名誉教授の小柴昌俊氏は,受賞対象となった超新星ニュートリノの検出についてゆったりとした口調でこう話す。むろん,その“運”は科学者としての確かな目でつかみ取ったものである。「陽子崩壊の確認」を最大の目標にしていたカミオカンデが,どういういきさつでニュートリノ観測に舵を切り替えたのか,そして切り替えたとたんに実にタイミングよく超新星ニュートリノをつかまえるという幸運はどのようにして呼び寄せたのか‥‥。発見に至る数々の秘話とともに,ニュートリノ天文学は今後どのように発展していくのかや日本の科学技術が抱える課題などについて,小柴氏に聞いた。
語り:小柴昌俊(こしば・まさとし) 1926 年9 月19 日に豊橋市で生まれた。76 歳になるが,東京大学素粒子物理国際研究センター参与として今も若い研究者の指導にあたる。ゆっくりと一言一言確認するように話すその語り口は,物理学者らしく論理的で不思議な魅力をもつ。
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