日経サイエンス  2002年7月号

特集:プロテオミクス

 ヒトゲノム解読プロジェクトに事実上の終了宣言がなされた直後から,ゲノムに変わってプロテオーム(proteome)という語を目にするようになった。ゲノム(genome)が遺伝子(gene)の全体像(-ome)を描き出すのに対し,プロテオームはタンパク質(protein)の全体像を指す(ゲノムは遺伝子geneと染色体chromosomeを結び付けた造語ともいわれる)。生体内の細胞や組織で作られるタンパク質の構造と機能を明らかにし(第1段階),タンパク質のネットワークを解明し(第2段階),最終的には医薬開発に役立てよう(第3段階)という総合的研究がプロテオミクス(proteomics)だ。

 

 特集の前半「生命科学を変える次の戦略」は米国の研究事情を中心にプロテオミクスの研究手法や産業化の可能性を紹介。後半では日本の研究を取り上げた。「医薬開発はこう変わる」は創薬を焦点にした取り組みとデータベースの構築,「日本の研究の現状」は国主導で進むプロジェクトの動向を解説する。

 

 

生命科学を変える次の戦略  C. エゼル(Scientific American編集部)

 

医薬開発はこう変わる  中村雅美(日本経済新聞編集委員)

 

日本の研究の現状  西村尚子(サイエンスライター)

 


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