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BEYOND DISCOVERY
日経サイエンス
■オゾン層の破壊
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1. オゾン層の破壊
2. 原因は何か
3. 2つの顔をもつオゾン
4. 地球の大気を探索する
5. CFC研究が本格化
6. 犯人は化学物質
. オゾンホールの出現
8. 相次ぐ証拠
9. 災厄は遠のいた
10. クレジット
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BEYOND DISCOVERY
THE PATH FROM RESEARCH TO HUMAN BENEFIT
■相次ぐ証拠
 1980年代半ばまでに,成層圏中の塩素化合物の濃度が正確に測られるようになった。地上から,気球や航空機からと,さまざまな手法で測定が進んだ。1986から87年にかけて,ソロモン(Susan Solomon)やアンダーソン(James Anderson)らは南極上空の予想外のオゾン層減少に,塩素原子と塩素酸化物ラジカルが関与していることを突き止めた。

 同じころ,下層大気の観測結果から,CFCの濃度がラブロックが測定した1970年代のデータに比べて毎年確実に,しかも劇的に増えていることがわかった。結論は明白だった。CFC,工業用溶媒のテトラクロライドとメチルクロロホルムの3種類の汚染物質が,南極上空のオゾンを破壊する塩素原子の主要な供給源になっていたのだ。

 米航空宇宙局(NASA)の衛星による観測結果をみても,CFC主犯説を疑う余地はなかった。「上層大気観測衛星」が過去3年間に集めたデータから,成層圏にCFCが蓄積していることがはっきりした。さらに,衛星の観測結果は成層圏にフッ素が蓄積していることを地球規模で明らかにした。フッ素はCFCが分解してできる物質で,直接の証拠となる。CFCとその分解生成物の量的なバランスを分析した結果,火山噴火などの自然要因で生まれた塩素がオゾン層破壊の原因である可能性は否定された。
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原文はNASのBeyond Discoveryでご覧になれます。
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