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BEYOND DISCOVERY
日経サイエンス
B型肝炎の物語
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1. イントロダクション
2. B型肝炎:体を衰弱させる病気
3. 血液に手がかりを探る
4. ブレークスルーをもたらした血液試料
5. 驚くべき発見
6. 血液スクリーニング検査の革命
7. 粒子の正体は?
8. 肝臓ガンを予防するワクチン
9. 次々に明かされた多種の肝炎
10. クレジット
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BEYOND DISCOVERY
THE PATH FROM RESEARCH TO HUMAN BENEFIT
 B型肝炎の物語
■ イントロダクション
image 有史以来,肝炎は人類を痛めつけ,多くの命を奪ってきた。しかしある時から,この病気のたどる道は大きく変わった。通常よりも病気にかかりやすい人たちがいるのはなぜか,その原因に興味を持った1人の医学研究者がいた。また,別の研究者は輸血を受けた人々がしばしば病気になることに疑問を抱いた。そして,オーストラリア先住民アボリジニーの血液。これらの存在がたまたま重なり,B型肝炎の発見につながったのだ。その後10年足らずで血液スクリーニング検査が広まり,輸血による肝炎の感染は劇的に減った。また,この発見は効果的な肝炎ワクチンにもつながった。それは感染症から人々を守る新たな方法となったばかりか,肝臓ガンに対する初の効果的なワクチンにもなった。しかし,このように肝炎研究を革新した科学者たち自身,研究を始めた当初は肝炎のことなど頭の片隅にもなかった。科学や医療ではよくあることだが,この画期的発見も“目的研究”の産物ではなく,自然界についての基本的な疑問に答えることを目指した研究から生まれたのだ。1976年のノーベル生理学・医学賞受賞者ブラムバーグ(Baruch Blumberg)が監修したこの記事は,肝炎ウイルスに関する多くの発見や,それらに対する血液スクリーニング検査や革新的ワクチンの開発につながる研究の軌跡をたどっている。B型肝炎の物語は,科学がどのように役立ち,基礎研究が当初は想像もできなかった実用的な成果をもたらすことを示す劇的な例といえる。
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原文はNASのBeyond Discoveryでご覧になれます。
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