タグ : 量子力学
時空の終端 ファイアウォール
ブラックホールから粒子が漏れ出すというホーキングの発見は,物理学の理解に残るギャップを露呈した。この「ホーキング放射」はブラックホール内部で情報が破壊されることを意味するように思える。しかし,量子力学は情報の消失を禁じ … 続きを読む
超弦理論が明かす宇宙の起源
万物を説明する究極理論の有力候補,「超弦理論」によれば,重力を伝える重力子をも含む全素粒子は極微の弦であり,弦の振動パターンの違いが素粒子の種類に対応する。そしてこの宇宙は9次元空間とフェルミオン次元と呼ばれる奇妙な次 … 続きを読む
特集:新説 宇宙の起源
暗黒物質,暗黒エネルギーなど宇宙には様々な謎があるが,最大の謎はその起源だ。宇宙は密度無限大の点から始まったとされるが,そんな奇妙なものがなぜ存在したのか? この謎をうまく回避できる大胆な仮説が提唱された。私たちの3次 … 続きを読む
崖っぷちの超対称性理論
超対称性理論では,既知のすべての素粒子に未発見のパートナーが存在すると考えられている。それらは超対称性粒子と総称される。量子力学を拡張する際に持ち上がる様々な問題を超対称性理論によって解決できるため,多くの物理学者はこ … 続きを読む
問われる究極理論への道筋
素粒子はスピンという物理量の違いで二分される。スピン1/2はクォークや電子など物質を構成するフェルミ粒子で,スピン整数(0,1,2)は光子やグルーオンなど力を伝えるボース粒子だ。超対称性理論(SUSY)によればフェルミ … 続きを読む
特集:素粒子論の危機
万物に質量を与えるヒッグス粒子を発見した大型ハドロン衝突型加速器LHCにはもう1つ,ヒッグスを超えるほど重要なターゲットがある。素粒子論の枠組みである「標準モデル」を超える最有力の理論,超対称性理論が存在を予言する超対 … 続きを読む
はずれのない材料設計
現代社会は半導体シリコンや光ファイバーなど,人工の材料によって支えられているが,そうした新材料の開発はいわば勘を頼りにした非効率な試行錯誤に頼ってきた。物性を決める量子力学の方程式を解くのが事実上不可能だったのが一因だ … 続きを読む
光子は未来を知っている
量子力学は気まぐれだ。全く同じ粒子を用意し,まったく同じ装置で同じように測定しても,結果は様々にばらつく。どの結果が出てくるかを予想することはできない。だが実は「個々の粒子は,未来において自身にどのような測定がなされる … 続きを読む
量子テレポーテーションと時間の矢
先週は持っていたが,今は捨ててしまって手元にない装置。そんな装置を使って,ここにある光子を操作することが可能だろうか? そんなことはできるはずがない,と思うかもしれない。だが量子テレポーテーションを使えば実現できる。 … 続きを読む
「光子の裁判」再び 波乃光子は本当に無罪か?
「私は二つの窓の両方を同時に通りました」。被告・波乃光子の供述は真か偽か。法廷で現場を再現する実地検証が始まった──ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎は1949年,一般読者に向けて「光子の裁判」を著し,量子力学のダブ … 続きを読む
特集:量子世界の弱値
かつてアインシュタインはこう言った。「私が見ていなくても,月はそこにあるはずだ」。アインシュタインの願いも空しく,月が「そこに」あると言うためには,月を見る者を必要とする。量子力学によれば,月の位置などの物理量は,測定 … 続きを読む
「揺らぐ境界 非実在が動かす実在」を読んで いろいろ疑問が湧いた人のための補足
「揺らぐ境界 非実在が動かす実在」は新しくなりました。新しい目次とダウンロードはこちら 2013年7月号「揺らぐ境界 非実在が動かす実在」の著者,谷村省吾氏による補足解説です。記 … 続きを読む
カテゴリ 2013年7月号, きょうの日経サイエンス
投稿日 2013年6月7日
Qビズム 量子力学の新解釈
量子力学は非常に成功した理論ではあるが,奇妙なパラドックスに満ちている。量子ベイズ主義(Qビズム)という最近発展したモデルは,量子論と確率論を結びつけることで,そうしたパラドックスを解消,あるいはより小さな問題にしようと … 続きを読む
情報から生まれる量子力学
物理学者の多くは,内心「量子力学を理解した気になれない」と感じている。量子力学が語る現象が奇妙だから,ではない。それを言うなら「速く動くほど時間が遅れる」などと主張する相対論だって十分に奇妙だが,といって「相対論を理解し … 続きを読む
揺らぐ境界 非実在が動かす実在
「私はニューヨークメッツの大ファンだ。メッツの試合がある日は,何が何でもテレビを見なければならないと思う。なぜって? 私がテレビに向かって応援すれば,メッツが勝てる気がするからだ」(N. D. マーミン「量子のミステリ … 続きを読む