タグ : 量子力学
量子もつれ 実験実証 物理の世界観に変革
測っていない値は実在しない ベルの不等式の破れの実験は我々に常識の変更をつきつけた 20世紀に登場した量子力学は,主にミクロの世界で,日常の中では見られない奇妙な現象が起きていることを予言した。中でも量子もつれ(エンタ … 続きを読む
事象地平をまたぐ「アイランド仮説」
ホーキング(Stephen Hawking)がブラックホールによる情報の破壊を主張した1974年以来,理論物理学は危機的状況にある。彼はブラックホールが蒸発し,ブラックホール自身とそこに吸い込まれたものすべてを特徴のない … 続きを読む
量子もつれ実験の難題を解くAI物理学者
量子物理学者のクレン(Mario Krenn)は2016年の初め,ウィーンのカフェでコンピューターの出力を見つめ,MELVIN(メルヴィン)が一体何を発見したのかを読み解こうとした日のことをよく覚えている。メルヴィンとは … 続きを読む
「時空の創発」って どういうこと? 細谷曉夫氏に聞く
時空は量子もつれから創発する(2022年6月号「創発する時空」)。と言われても,どういう話なのか想像もつかない,という人は多いだろう。 量子もつれといえば,互いに遠く離れた光子や電子どうしの性質が連動して変化する不思議な … 続きを読む
創発する時空 量子情報がもたらしたパラダイム
物理学において,重力を説明する最善の理論は一般相対性理論だ。アインシュタインが,空間と時間が物質によってどのように歪むかを記述した有名な理論である。それ以外のすべてを最もよく説明するのが量子力学で,物質やエネルギー,素粒 … 続きを読む
カテゴリ 2022年6月号, 編集部のピックアップ, 記事
トポロジーで解けた量子ホール効果の謎
量子化は通常,ミクロな量子世界で見られるが,量子ホール効果は導体の表面に流れる電流が量子化されるマクロな現象だ。この量子化を説明することは物理学の未解決問題とされてきたが,最近,数理物理学者らがトポロジー(形の性質を研 … 続きを読む
波動関数の収縮は物理現象か?
一部の物理学者は,波動関数の収縮は実際に起こっている物理現象であり,測定可能な効果を伴っていると考えている。その1つに「連続的自発的局在化(CSL)」という考え方がある。CSLによると,波動関数の収縮はミクロ世界で絶えず … 続きを読む
時空の量子化をとらえる
量子世界では,粒子が同時に2つの場所に存在するという不可思議なことが起こりうる。物理学者はこれを「重ね合わせ」と呼ぶ。量子的な重ね合わせは実際に実験室で何度も確認されているが,非常にデリケートで壊れやすい。重ね合わせにな … 続きを読む
特集:実験で迫る量子世界の深奥
この特集に収められた2編の記事は,両方とも常識的な物理の話ではないことを,まず断っておく必要がある。 1本目の「時空の量子化をとらえる」は量子重力の効果を検出する卓上実験の解説である。だが,少々この分野を聞 … 続きを読む
アインシュタインの夢 ついえる
「アインシュタインと散歩していたとき,彼は不意に足を止め,私のほうを向いて『君は,君が見上げているときだけ月が存在していると本当に信じるのか?』と尋ねた」 ──物理学者A. パイス 2015年,欧米の3つの研究グループが … 続きを読む
最終決着「ベルの不等式」の破れの実験
すべての革命が華々しく始まるわけではない。量子力学においては1964年,物理学者ジョン・ベルが1つの数式を発表したときに,そんな静かな革命が始まった。その数式は,量子力学の創始者たちを悩ませた哲学的問題に答えを出すための … 続きを読む
神がサイコロを振る階層
「神はサイコロを振らない」というアインシュタインの有名な主張は量子力学に対する強烈な反駁とされてきたが,発言の記録を詳しく調べると,それは誤解であることがわかる。彼は量子力学の非決定性を拒否したのではなく,より深いレベ … 続きを読む