タグ : 重力
量子情報で解き明かす重力理論
一般相対性理論と量子力学を統合する量子重力理論の研究が,量子情報理論との関係の深まりを受けて急進展している。「ブラックホールの情報パラドックス」の解決の糸口が見つかり,最も基本的な対称性が量子重力理論では破れていることが … 続きを読む
カテゴリ 2021年6月号, 編集部のピックアップ, 記事
時空の量子化をとらえる
量子世界では,粒子が同時に2つの場所に存在するという不可思議なことが起こりうる。物理学者はこれを「重ね合わせ」と呼ぶ。量子的な重ね合わせは実際に実験室で何度も確認されているが,非常にデリケートで壊れやすい。重ね合わせにな … 続きを読む
重力波の本命 連星中性子星合体を観測
コンパクトな超高密度の天体「中性子星」2つからなる連星が合体する様子が2017年8月,重力波によって初めて観測された。この連星合体の約2秒後,「ガンマ線バースト」というガンマ線の瞬間的な輝きが検知され,半日後には,可視光 … 続きを読む
「インフレーション理論に異議」に物理学者33人が大反論
マルチバースはインフレーション理論の研究から導き出された仮説だ。インフレーションは宇宙の大部分で永遠に続いているとの見方があり(永久インフレーション),その中でたまたまインフレーションがいったん終わった部分の1つが私たち … 続きを読む
量子ビットから生まれる時空
時空は情報の基本単位からできていて,それらの構成要素は「量子もつれ」という奇妙な現象を介して結びついているのかもしれない。量子もつれ状態にある2つの粒子は,遠く離れていても,その振る舞いが同期する。量子コンピューターを扱 … 続きを読む
ホログラフィー原理を解く
ブラックホールが持つエントロピーの奇妙な性質にヒントを得て,「ホログラフィー原理」が提唱された。重力を含まない2次元空間から,重力を含む3次元空間が生み出されるという考えだ。超弦理論の研究でホログラフィー原理のモデル,「 … 続きを読む
ワームホールと量子もつれ 量子時空の謎
量子物理学の法則によると,距離を隔てた2つの物体が「量子もつれ」という関係になる場合がある。両者を物理的に結びつけているものが存在しないにもかかわらず,一方に対してなされた行為が他方に影響する。一方,時空の幾何構造を記述 … 続きを読む
「宇宙の初期シナリオに新たな視点」
米大学グループなどによる重力波の初観測の意義について,自然科学研究機構の佐藤勝彦機構長に聞いた。佐藤氏は今回の重力波の観測データが一般相対性理論に基づく予測と見事に一致していることに驚いたと語り,今後,重力波観測が天文学 … 続きを読む
GW150914の衝撃
2015年9月14日に直接観測された重力波は「GW150914」と名付けられ,波形の解析からブラックホール連星の合体で生じたものとわかった。 重力波はアインシュタインが一般相対性理論の研究から100年前に予言,1970年 … 続きを読む
重力波の直接観測 3つの意義
カリフォルニア工科大学とマサチューセッツ工科大学が中心となって推進してきた「レーザー干渉型重力波天文台(LIGO)」が,重力波の直接観測に成功した。発信源は,2つのブラックホールが互いの周りを回る連星の合体である。このブ … 続きを読む
「ここ」とはいったいどこなのか? 非局在性の不思議
日常生活では,距離と位置は当然の概念だ。だが物理学の考え方を突き詰めると絶対的な位置などというものはそもそも存在せず,この宇宙は非局在的だと考えられると著者は考察する。重力に関するニュートンの考え方は質量を持つ物体が距離 … 続きを読む
ブラックホールで一般相対論を検証
一般相対性理論は数々の検証に耐えてきたが,ブラックホールの縁など重力が極めて強い場所での検証は行われていない。近々,天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの事象の地平面を観測するプロジェクトがスタート,そうした検証が … 続きを読む
思考実験 物理学者の心の旅
アインシュタインの不朽の貢献の1つは思考実験を活用したことだ。落下するエレベーターについての洞察が一般相対論につながった。現在の理論物理学における最重要問題のいくつかにはブラックホールに関する思考実験が必要だ。だが問題も … 続きを読む