タグ : 遺伝子

人類の起源を求めて 様変わりした進化史

チャールズ・ダーウィンは著書『人間の由来』(1871年)の中で,現存する人間はすべて同じ種に属し,複数の人種は1つの祖先種から派生したと述べた。この考え方は当時受け入れられず,人種的優越性を裏付ける理屈として利用されたこ … 続きを読む

カテゴリ 2021年1月号, 記事

DNAループのダイナミクス

人体の細胞はどれも同じ遺伝子セットを持つが,異なる組み合わせの遺伝子がオンになることで,神経や筋肉など種別ごとに機能を果たしている。この遺伝子発現の制御に関し,米国のチームが注目すべき発見をした。ゲノムのDNAが細胞内で … 続きを読む

カテゴリ 2020年2月号, 記事

絶滅したハワイの花 マウンテン・ハイビスカスの香りを復活

ある生物種の最後の個体が死んだら,その種は永久に失われる。だが絶滅生物の遺伝子は復活できることを,米国の新興バイオ企業の科学者たちが示した。100年以上前に絶滅したハワイの花の標本から香り物質を作り出す遺伝子を回収・復元 … 続きを読む

カテゴリ 2019年5月号, 記事

性はXとYだけでは決まらない

生物学的性別の決定は,単に解剖学的特徴だけでなく,時を追って展開する遺伝的因子と化学的因子の込み入った振る舞いが関わる驚くほど複雑な過程だ。通常とは異なる性的発達をたどるインターセックスの人は,5アルファ還元酵素欠損症な … 続きを読む

カテゴリ 2017年12月号, 記事

ぴったりの薬を選ぶゲノム薬理検査

医薬品のなかには,患者の体質によって深刻な副作用を生じるものがある。当人の遺伝子が影響するためで,多くの患者が潜在的な危険にさらされている。これに対し,遺伝子が医薬品の作用にどう影響するかを研究する「ゲノム薬理学」の進展 … 続きを読む

カテゴリ 2017年1月号, 記事

遺伝子スイッチ

様々な遺伝性疾患を治すために正常に機能する遺伝子を患者に導入する遺伝子治療は期待の先端医療だが,初期の試みは問題続きだった。導入遺伝子を目的の場所で適切に活性化させる制御ができなかったのが一因だ。そこで,治療用遺伝子に“ … 続きを読む

カテゴリ 2016年4月号, 記事

遺伝するエピジェネティック変異

 現在の遺伝学で注目されているのは,DNAや染色体中のタンパク質に結合した化学分子など,DNA配列とは別に記録されている「エピジェネティック」な要因が遺伝子の活性に及ぼす影響だ。エピジェネティックな標識のほとんどは受胎後 … 続きを読む

カテゴリ 2015年7月号, 記事

遺伝子治療 再登板

薬ではとても治せない先天性の難病も根治可能な遺伝子治療は1990年代に大きな期待を集めたが,いくつかの臨床試験で副作用による死亡例が出るという悲劇が起こった。これは大きなブレーキになったが,基礎研究に立ち戻って原因を究明 … 続きを読む

カテゴリ 2014年9月号, 記事

脳の遺伝子アトラス

ヒトの脳のどこでどの遺伝子が働いているかを調べて全体像を地図にする「脳遺伝子アトラス」プロジェクトによって,典型的な成人6人の遺伝子発現マップが作られた。これに先立って完成していたマウスの脳に関する遺伝子発現マップと比較 … 続きを読む

カテゴリ 2014年7月号, 記事

もうジャンクとは呼ばせない

 ヒトゲノムは人間の設計図とも呼ばれるが,その中身はというと,タンパク質をコードしている遺伝子部分はほんの一部。残りは意味のないジャンク(ごみ)同然のものと思われていた。だが本当にジャンクなのか,世界の遺伝学者約400人 … 続きを読む

カテゴリ 2013年2月号, 記事

最初のリプログラミング実験

 この記事は2012年のノーベル生理学・医学賞に決まったJ. B. ガードン博士がE. M. デ・ロバーティス米カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授と共同執筆した記事の再録である。今回の最大の授賞理由となった体細胞核の遺 … 続きを読む

カテゴリ 2012年12月号, 記事

ウソから出た大発見

 昨年,素粒子ニュートリノが超光速で飛ぶという実験結果が発表されて大ニュースとなったが,誤りと判明した。実は約30年前にも似たような騒動があった。量子論の基本的性質を使って設計された「超光速通信機」なる装置の論文が学術誌 … 続きを読む

カテゴリ 2012年10月号, 記事

明日を拓く医療マシン

 失明した人が網膜チップによって再び世界を見ることができるようになり,心臓発作が起きそうになると,それを察知して警報を発する──。ここ数年,かつてない進展を見せている生物学や電子工学,ヒト遺伝学を活用し,人々の健康を維持 … 続きを読む

カテゴリ 2012年8月号, 記事

核内で動くゲノム

 ヒトゲノム,つまりDNAの形で保存された人間の設計図は,4種類の文字(塩基)で書かれた30億字の書物だ。その書物は24分冊からなり,各分冊を「染色体」という。すべての染色体は細胞の核の中に入っていて,細胞は必要となる部 … 続きを読む

カテゴリ 2011年5月号, 記事

人工細菌は生命を知る道具〜日経サイエンス2010年10月号より

人工ゲノムで生きる細胞を作れるようになった,基礎研究に大きく役立つだろう    今年3月末,人工的に合成された遺伝情報だけで生きている初の微生物がクレイグ・ベンター研究所(メリーランド州)の試験管内で増殖し始め … 続きを読む

カテゴリ 2010年10月号, SCOPE & ADVANCE