タグ : 言語学

大アンダマン語族 消えゆく言語が秘める世界観

2004年12月のある朝,老人と子どもたちがベンガル湾にあるストレイト島の海岸を散歩していた時,1人がおかしな状況に気づいた。海面が普段より低くなり,通常は弱光層(海中の光がぎりぎり届く層)に暮らしている奇妙な外見の生き … 続きを読む

カテゴリ 2023年11月号, 最新号の紹介, 記事

ChatGPTの頭のなかをのぞき見る

「この小説の続きを考えて」「英文を和訳して」「新商品のアイデアを出して」──ChatGPTは,人間のあらゆる無茶振りにまじめに答えてくれる対話型AIだ。ユーザーによって色々な使い方が考案され,「こんな使用法がある」「AI … 続きを読む

カテゴリ 2023年5月号, 記事

人間だけがおしゃべりな理由 「のど」と「くち」が秘める 意外な能力

私たちはおしゃべりだ。学校や職場の休み時間,カフェ,電車の中──。人間の集まる場所に出かけると,そこら中から誰かの会話が聞こえてくる。 しかし,ヒトの「話す」という動作をそのまま真似できる動物はほとんどいない。たとえば, … 続きを読む

カテゴリ 2023年1月号, 記事

高度な言語が生まれた理由

人間の言語コミュニケーションは他の動物の身振りや音によるコミュニケーションよりもはるかに構造的で複雑だが,人の言語のこのユニークさを説明できるような人間特有の生理的,神経的,あるいは遺伝的な形質を発見する試みは失敗に終わ … 続きを読む

カテゴリ 2018年12月号, 記事

舌打ち音言語が少ない理由〜日経サイエンス2018年2月号より

歯茎の形が影響しているかもしれない    アフリカの一部の言語に見られる吸着音(舌打ち音)は子音として完璧に機能する。なのに,吸着音を用いる言語が非常にまれなのはなぜだろう? 一因は口の解剖学的構造にあるようだ … 続きを読む

カテゴリ 2018年2月号, SCOPE & ADVANCE

The Whistled Word / 口笛言語

One spring morning Panagiotis Kefalas was in the tavern he owned in the tiny Greek village of Antia when he received a call from his friend Kyria Koula. Kefalas was planning to have breakfast at her h … 続きを読む

カテゴリ 2017年5月号, 英語で読む日経サイエンス

口笛言語

通常の言葉を口笛で表現して伝える「口笛言語」をご存じだろうか。スペイン領カナリア諸島の「シルボ・ゴメーロ」など少数が知られるだけだったが,著者らの近年の研究でギリシャや中南米,東南アジアなど世界各地の約70の集団がいまも … 続きを読む

カテゴリ 2017年5月号, 記事

チョムスキーを超えて 普遍文法は存在しない

子供はみな言葉を自然に覚えて話すようになる。なぜだろうか? 人は言語を習得する機構を生まれながらに備えている,つまり普遍的な文法が生得的に組み込まれている──というのが,ノーム・チョムスキーが20世紀半ばに提唱した有名な … 続きを読む

カテゴリ 2017年5月号, 記事

言語学バトル 印欧語族の起源をめぐって

英・独・仏語にイタリア語,ポルトガル語,ロシア語,ギリシャ語,ヒンディー語などなど,世界人口の半数近くは「インド・ヨーロッパ語族」に属する言語を話している。これら各国語の共通祖先はインド・ヨーロッパ祖語という古代言語だが … 続きを読む

カテゴリ 2016年9月号, 記事

しっとり音楽的な言語〜日経サイエンス2015年6月号より

声調言語は湿潤な地域に多い   オペラ歌手と乾燥した空気は相性がよくない。実際,最高のプロ歌手は正しい音の高さを実現するために湿った環境を要する。マイアミ大学の言語人類学者エバレット(Caleb Everett … 続きを読む

カテゴリ 2015年6月号, SCOPE & ADVANCE

「速い言葉」と「遅い言葉」〜日経サイエンス2012年6月号より

音節を発話するスピードの違いはあるが,伝えている情報量はどの言語も同じらしい    「いくつかの言語の話者は機関銃のように高速でまくし立てるが,他の言語はゆっくり訥々として聞こえる」と,1998年に言語学者のロ … 続きを読む

カテゴリ 2012年6月号, SCOPE & ADVANCE

舌打ちを見くびるな〜日経サイエンス2012年4月号より

アフリカの言語に見られる「舌打ち音」が英語でも予想以上の役割を果たしている    一部のアフリカ人は舌打ちをするが,英語をしゃべる人は舌打ちしない──というのが定説だった。ただし舌打ちといっても,舌打ち音(吸着 … 続きを読む

カテゴリ 2012年4月号, SCOPE & ADVANCE

伏せ字のパワー~日経サイエンス2011年8月号より

ヒットチャート上位に下品な言葉が    今年の春,ビルボード・ポップミュージック・チャートで“画期的”な出来事が起こった。同じ四文字語を目立つように使った曲が,トップ10に3曲も入ったのだ。シー・ロー・グリーン … 続きを読む

カテゴリ 2011年8月号, SCOPE & ADVANCE

言語で変わる思考

「右手に見えますのは…」「左手は…」。観光バスのガイドさんの言葉で私たちは首を振るが,地球上には「左右」よりも「東西南北」で指し示してくれた方がわかりやすいという人々がいる。オーストラリアの先住民だ。なぜなのか? 彼らの … 続きを読む

カテゴリ 2011年5月号, 記事

抑揚のある言語と遺伝子の関係〜日経サイエンス2007年11月号より

「ニーハオ」それとも「ボンジュール」,あなたはどちらが話しやすいか…それが遺伝子によって変わってくる?      人間が遺伝学的に多様であるのと同様,言語もさまざまで,世界で6800種類以上の言葉が話 … 続きを読む

カテゴリ 2007年11月号, SCOPE & ADVANCE