タグ : 薬学

生物から新薬候補続々 コロナ,がん,マラリア

スペインのイビサ島の南西沖にある岩だらけの無人島,エス・ベドラ島。ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場する,船乗りを死に誘う海の妖精セイレーンにちなんだこの切り立った島の沖合から生まれたのは,人びとを病から救う薬だっ … 続きを読む

カテゴリ 2022年10月号, 記事

見通し煙る麻薬の医療利用〜日経サイエンス2011年12月号より

マリファナが含む化学物質は医薬品として有望だが,厳しい規制が足かせになっている    がんやエイズの痛みと吐き気,体重減や,多発性硬化症の筋肉の痙攣に対してマリファナが有効とみられることが予備的な臨床試験で示さ … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, SCOPE & ADVANCE

嚢胞性線維症に光

 嚢胞性線維症は肺や膵臓などに粘液がたまり,呼吸や消化が困難になる病気。日本では患者が少なく知られていないが,欧米では出生3000人に1人という高い頻度で罹患する重い遺伝病だ。1980年代まで患者は20代後半で命を落とし … 続きを読む

カテゴリ 2011年11月号, 記事

カルテから探すベストな治療法

 この病気にはどの治療が効くか? それを決めるには臨床試験しかないと,長年信じられてきた。だが臨床試験には時間もコストもかかり過ぎ,需要に到底追いつかない。ならば実際に治療された患者のカルテを大量に集めて結果を解析し,答 … 続きを読む

カテゴリ 2011年10月号, 記事

最短距離でワクチンへ

 ワクチン実用化には長い年月と莫大な研究費が必要だ。数千人が加わる臨床試験で思わしくない結果が出て,開発が断念される場合もあり,そうなると患者にも製薬企業にも大きな失望を与えることになる。そんな危うい開発物語が過去のもの … 続きを読む

カテゴリ 2011年9月号, 記事

しのび寄るスーパー耐性菌

人類は感染症との闘いに勝利を収め,医学の焦点はがんや生活習慣病に移った──そう思っている人は多いだろう。だが実は今,ほとんどの薬が効かず,治療が極めて難しい「スーパー耐性菌」が世界中に広がっている。「最後の砦」と言われた … 続きを読む

カテゴリ 2011年7月号, 記事

DNA医薬の時代

 プラスミドという環状のDNAに病原体タンパク質の遺伝子を載せてワクチンとして利用する──このシンプルでエレガントなアイデアは1990年代に登場した。プラスミドDNAを直接,皮膚などの細胞に取り込ませれば,細胞はプラスミ … 続きを読む

カテゴリ 2010年10月号, 記事

依存症を眠らせろ〜日経サイエンス2010年9月号

新タイプの睡眠薬は薬物依存を抑える効果もあるようだ    夜に熟睡できれば,朝一番のコーヒーがほしくてたまらないという気分が少し和らぐだろう。そして,自然な眠りを誘う新タイプの睡眠薬には,朝のコーヒー依存を解消 … 続きを読む

カテゴリ 2010年9月号, SCOPE & ADVANCE

“頭をよくする薬”の現実

 米国では,認知機能改善薬に大きな関心が寄せられている。飲むだけで認識力や記憶力などの認知機能を高める薬だ。こうした薬はスマートドラッグや向知性薬,あるいは「脳のバイアグラ」などという名前で呼ばれることもある。大学生や企 … 続きを読む

カテゴリ 2010年1月号, 記事

激痛の原因を探る 片頭痛の新薬を目指して

 片頭痛は世界で3億人を悩ませる慢性疾患だ。1997年に日本で行われた頭痛に関する大規模な疫学調査(対象約4万人)では,日本人の8.4%が片頭痛患者と推定される。月に1~2回の頻度で激しい痛みに襲われる人が多いが,頭痛が … 続きを読む

カテゴリ 2008年11月号, 記事

農場発の遺伝子組み換え新薬〜日経サイエンス2006年11月号より

ヤギが作り出す抗血栓薬が欧州で近く認可される   マサチューセッツ州チャールトンにあるGTCバイオセラピューティクス社の農場。ここにいる30頭の遺伝子組み換えヤギの乳には,血液をサラサラにする薬が含まれている。 … 続きを読む

カテゴリ 2006年11月号, SCOPE & ADVANCE

痛みを抑える 新薬開発の最前線

 現在使われている一般的な鎮痛薬は,何百年前の民間療法がもとになっている。アヘン剤はケシから,アスピリンはヤナギの樹皮から得たものだ。アスピリンの鎮痛効果には限界があり,激痛には効き目がない。アヘン剤はさらに強力な薬だが … 続きを読む

カテゴリ 2006年9月号, 記事

痛みをいやす毒 貝から生まれた鎮痛剤

 ある種の巻き貝が持つ毒素には痛みを抑える作用がある。この毒素をまねて人工的に作られた鎮痛剤が米国で実用化した。海洋生物は新薬を生む資源といえるかもしれない。    昨年12月末に米食品医薬品局(FDA)がアイ … 続きを読む

カテゴリ 2005年7月号, 記事