タグ : 自己免疫疾患

理解されない苦しみ ある患者の闘い

あの朝のことは,今でもよく覚えている。私はジムに行く支度をしていた。新品のスポーツウエアを身につけて玄関を出ようとしたとき,私は両足の太ももに激しく焼けるような感覚を覚えた。両足が見る見るうちに赤い大きな発疹に覆われ,私 … 続きを読む

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反乱を抑える新たな手立て

自己免疫疾患の治療ではこれまで,悪さをする免疫系を力ずくで抑えつけて服従させるような強引な戦略がとられてきた。だが,そうした方法は体の正常な機能にも悪影響を及ぼし,元の病気よりもひどい状態を招く場合がある。最も代表的な治 … 続きを読む

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女性に多い理由 腸内細菌,ホルモン,X染色体が影響

ノースカロライナ州チャペルヒルに住むシー(Melanie See)に奇妙な症状が初めて出たのは2005年のことだった。突然,大量の汗をかくようになり,体重が10ポンド(約4.5kg)も減少した。寝室から居間のソファまで移 … 続きを読む

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なぜ自分に牙を剥くのか 免疫が裏切るメカニズム

エイジリク(Decio Eizirik)が1980年代に1型糖尿病患者の治療を始めたとき,この病気の原因はてっきり免疫系の暴走にあると思っていた。この病気の患者は重要なホルモンであるインスリンが欠乏しており,それは体内の … 続きを読む

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データで見る自己免疫疾患

ドイツの免疫学者エールリヒ(Paul Ehrlich)にとって,外来の病原体から身を守るために進化した免疫系がその生物自身を攻撃するという考えはナンセンスに思えた。後にノーベル生理学・医学賞を受賞するこの免疫学者は190 … 続きを読む

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「究極の血液検査」を受けてみた

 いっぺんに250のバイオマーカーを調べて健康リスクを判定する血液検査サービスが米国で商品化されている。実際に試してみた。    めまいと吐き気が治まり始めたとき,私は大さじ2杯分の採血なんてたいした量じゃない … 続きを読む

カテゴリ 2008年10月号, 記事

マイクロキメリズム あなたの身体に潜む“他者”の細胞

 妊娠中に胎盤を通して,母親と胎児の間で互いに細胞が行き来する──これだけだったら,さほど驚くにはあたらない。胎盤を通じてさまざまな物質が行き来していることは周知の事実だ。だが,このときに行き来した細胞が,その後もずっと … 続きを読む

カテゴリ 2008年5月号, 記事

免疫系の“守護神” 制御性T細胞

 100年ほど前,洞察力に優れた細菌学者のエールリヒ(Paul Ehrlich)は「自己中毒忌避(Horror autotoxicus)」という言葉を創った。彼は免疫系が自分自身の身体組織を攻撃する「自己免疫」という現象 … 続きを読む

カテゴリ 2007年1月号, 記事

免疫系の暴走を止めろ 全身性エリテマトーデスに挑む

 ある24歳の女性は,腎不全と抗てんかん薬の効かないてんかん様痙攣(けいれん)と診断された。しかし,外から見てすぐにわかる症状は,鼻をまたぐように頬全体に広がる蝶の形をした赤みがかった発疹だった。    別の6 … 続きを読む

カテゴリ 2005年6月号, 記事

もうひとつの防御システム 自然免疫の底力

 女性がエレベーターに乗ったら,乗り合わせた人たちがくしゃみをしていた。くしゃみとともにどんな病原体がばらまかれているのかと彼女が考える間もなく,体内の免疫システムはすぐに活動を始める。ばらまかれている病原体が以前に彼女 … 続きを読む

カテゴリ 2005年4月号, 記事