タグ : 脳

なぜヒトだけ無毛になったのか

 哺乳類のことを「けもの」「けだもの」ともいうが,これは「毛のもの」の意味だ。身体が毛で覆われているのは,哺乳類の特徴といっていい。ところが,私たち人間の皮膚は,ほとんどむき出しの状態だ。霊長類のなかで,毛皮がないのはヒ … 続きを読む

カテゴリ 2010年5月号, 記事

“頭をよくする薬”の現実

 米国では,認知機能改善薬に大きな関心が寄せられている。飲むだけで認識力や記憶力などの認知機能を高める薬だ。こうした薬はスマートドラッグや向知性薬,あるいは「脳のバイアグラ」などという名前で呼ばれることもある。大学生や企 … 続きを読む

カテゴリ 2010年1月号, 記事

知性の起源

 進化論を唱えたダーウィンは1871年に『人間の由来』の中で,人間と人間以外の動物の心の違いは「程度の差であって質の問題ではない」と述べた。後の学者たちも基本的にはこの見解を支持する立場を取っている。近年では,ヒトとチン … 続きを読む

カテゴリ 2009年12月号, 記事

DNAに見えた「人間の証し」

 ゲノムプロジェクトによって完全解読されたヒトとチンパンジーの全塩基配列。類人猿の中でも私たちに最も近いチンパンジーと比較すれば,両者を隔てる遺伝子の謎が解けるのではないか? 研究者ならずともそう期待する人は多いだろう。 … 続きを読む

カテゴリ 2009年8月号, 記事

進化の未来

 私たちホモ・サピエンスは果てしなく長い時間をかけて今の姿に進化してきた。これまでの人類は加速的に進化してきた傾向があり,最近の研究によると,過去1万年間の進化の速度は先行人類が猿の祖先から分岐した後のどんな時期よりも1 … 続きを読む

カテゴリ 2009年4月号, 記事

ブレイン・マシン・インターフェース データを脳へダウンロードする

 人間の脳とコンピューターを一体化させ,必要に応じて記憶や外部情報を出し入れできる時代がやって来る!? ──ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の研究はSF小説の世界に現実味が与えるまでに進んできた。やがては,脳 … 続きを読む

カテゴリ 2009年2月号, 記事

知能遺伝子を探して

 人間の「頭のよさ」とは何か。会話や行動から「あの人は頭がいい」ということは誰にでもわかるが,知能とは何かを定義するのは難しい。心理学者はいくつかの検査を組み合わせて調べる知能指数(IQ)によって,知能を定量化しようとし … 続きを読む

カテゴリ 2009年1月号, 記事

ダンスの神経科学

 音楽が聞こえると,足で拍子をとったり,身体を揺らしてリズムをとる人は多い。こうした動きは無意識に生じる本能的なものだが,これができるのは動物界広しといえども人間以外にはいない。リズムをとること,音に合わせて踊ることは, … 続きを読む

カテゴリ 2008年10月号, 記事

何を見てるかお見通し〜日経サイエンス2008年8月号より

 脳の視覚野の活動パターンをもとに,その人が何を見ているのかを判別する方法を,カリフォルニア大学バークレー校の研究グループが開発した。 被験者に一連の画像を見せながら,その脳を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で撮影し, … 続きを読む

カテゴリ 2008年8月号, SCOPE & ADVANCE

麻酔の科学 脳に働くメカニズム

 現在使われている全身麻酔薬は,中枢神経に作用する薬の中でも最も強力なもので,危険を伴う場合もある。そのため,麻酔科医は患者や手術の内容に合わせて麻酔薬の投与量を調節し,手術中の不測の事態を回避するためにざまざまな機器を … 続きを読む

カテゴリ 2007年10月号, 記事

子育てで賢くなる母の脳

 女性は生まれつき母親なのではない。母親になるのだ。ラットからサル,ヒトまで,ほとんどすべてのメスの哺乳類は,妊娠し母親になると行動が根本的に変化する。それまでひたすら自己の欲求と生存だけを追求していた生物が,子どもの世 … 続きを読む

カテゴリ 2006年4月号, 記事

脳にチップを初めて埋めた男 ホセ・デルガードの早すぎた挑戦

1970年代初め,エール大学の生理学教室の教授,デルガード(Jose Manuel Rodriguez Delgado)は世界で最も話題となり,かつ論争を巻き起こす神経科学者の1人だった。1970年,New York T … 続きを読む

カテゴリ 2006年2月号, 記事

脳を揺さぶる音楽

 音楽にこんなにも心を動かされるのはなぜだろうか。私たちの脳は音楽をどう処理しているのだろうか。脳画像に基づく最新の研究から,その秘密が少しずつ見えてきた。    意外なことに,音楽を処理する特別な「中枢」は存 … 続きを読む

カテゴリ 2005年3月号, 記事

脳をあやつる虫

 私たちは少し謙虚になったほうがよさそうだ。ある種の微生物は動物の脳に寄生し,神経回路を巧妙に操っている。人間にはとても真似できないやり方で……。    細菌や原生動物,ウイルスは私たちの細胞を乗っ取り,私たち … 続きを読む

カテゴリ 2003年6月号, 記事

右脳の天才 サヴァン症候群の謎

 レスリー・レムケは卓越した演奏家だ。14歳のとき,彼は数時間前にテレビで初めて聞いたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を,ためらうことなく完璧に弾きこなしてしまった。レムケはそれまでピアノのレッスンを受けたことがなか … 続きを読む

カテゴリ 2002年9月号, 記事