タグ : 科学哲学

意識を持つのは人間だけか

人間以外の動物でも苦痛を感じることを示唆する証拠が得られている。例えば,ロブスターやカニは傷つけられたり水から出されたりハサミをもぎ取られたりすると,ストレスホルモンを放出する。また,傷を負ったエビは足を引きずったり傷口 … 続きを読む

カテゴリ 2018年12月号, 記事

知りうることに限界はあるか?

 研究に熱中していてしばしば見逃されるのは,科学の方法が調査対象の系との相互作用を必要とするという事実だ。私たちは系の振る舞いを観測し,その特性を計測し,系をよりよく理解するために数学的あるいは概念的なモデルを構築する。 … 続きを読む

カテゴリ 2018年9月号, 記事

数学が世界を説明する理由

 アインシュタインは次のような疑問を持っていた。「経験とは独立した思考の産物である数学が,物理的実在である対象と,これほどうまく合致しうるのはなぜなのか?」 数学は人間が発明した道具なのか,それとも何かの抽象的世界に実在 … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

特集:実在とは何か?

 物質をどんどん細かく分けていくと分子や原子が立ち現れ,それらはさらに微細な基本粒子からなっている──私たちが当然のように受け入れている世界観だ。肉眼で原子や素粒子を見ることはできなくても,これらはリアリティーを備えた存 … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

物理学を認識論にする

 今の物理学は,神の目線でできている。宇宙全体をあたかも外から見ているかのように,第三者的に記述する。宇宙物理学者の細谷暁夫は,そこに疑問を投げかける。「我々は宇宙の中にいる。宇宙を外から見るのではなく,まず宇宙を我々と … 続きを読む

カテゴリ 2010年4月号, 記事

自ら記した統一理論の夢

 アインシュタインが統一理論に取り組み始めたのは1920年代の初めのことだ。量子力学が登場したばかりの時代で,ゲージ対称性や余剰次元といった新しい概念が次々に紹介され,物理学は全体を包括できる大きな枠組みを求めて活気づい … 続きを読む

カテゴリ 2004年12月号, 記事

時間とは何か

 200年以上も前に,フランクリン(Benjamin Franklin)は時間の経過を金銭と同一視する今や有名な格言(「時は金なり」)を生み出した。新たな千年紀(およびそれに先立つ数十年間)はこの言葉を実感させるものとな … 続きを読む

カテゴリ 2002年12月号, 記事

根底に横たわるジレンマ

 多くの人にとって時間に関する最大の謎は,時間が十分にあるとは決して思えないことだ。物理学者もこれとよく似た問題を抱えているといったら,せめてもの慰めになるだろうか。    時間変数tを含む物理法則はいくつもあ … 続きを読む

カテゴリ 2002年12月号, 記事