タグ : 神経科学

犬と猫 アタマの勝負

思考を担っているのは脳の大脳皮質という表層部分だ。動物の皮質ニューロンの数を新たに計数した結果によると,犬は猫に大差で勝る。雑種犬の皮質ニューロンが4億3000万個近いのに対し,猫は2億5000万個だ。他の肉食動物では意 … 続きを読む

カテゴリ 2018年11月号, 記事

効果ある? 知育玩具

いわゆる知育玩具には,乳幼児の読字や学習,算数,歩行の開始時期を早めると宣伝しているものが多いが,科学的な裏づけはほとんどない。赤ちゃんが早い時期に進歩を見せても,それが長期的な強みにつながることを示した研究はない。ペー … 続きを読む

カテゴリ 2018年11月号, 記事

意識とは何か

あなたが体験していることすべてが,意識だ。それは頭から離れない調べであったり,チョコレートムースの甘さ,ズキズキする歯の痛み,我が子への熱烈な愛,そしてすべての感覚がついには終わりを迎えるという苦い知識であったりする。 … 続きを読む

カテゴリ 2018年9月号, 記事

神経伝達の常識を覆すニューロン表面波伝播説

脳細胞は電気信号の形で情報を伝えているというのが定説だが,それは誤りかもしれない。ニューロンの信号は細胞膜表面を伝わる機械的な波であるとする見方を支持する結果が集まり始めた。電気パルスモデルに反する事例報告は半世紀近く前 … 続きを読む

カテゴリ 2018年9月号, 記事

勝手に学ぶ子どもロボット

幼児は自分の体を使って実験したりおもちゃなどの物体を使って遊んだりすることを通じて自律的に学んでいる。ロボット研究者と神経科学者,心理学者は,子供のように自発的に発達する機械を実現する方法を探ってきた。彼らの共同研究によ … 続きを読む

カテゴリ 2018年8月号, 記事

うつ,依存症,社交不安障害 治療効果を脳画像で予測

 どんなうつ病治療もうつ病患者の1/2〜2/3には効果がない。個々の患者に合った治療法を見極める方法が必要だ。ある治療法が誰に効くかを予測する研究において,脳スキャンが有望な結果を出している。ある患者に最も有効な治療法は … 続きを読む

カテゴリ 2018年7月号, 記事

脳のブレーキ〜日経サイエンス2018年6月号より

思考を抑制する脳内化学物質が特定された   誰でも時折は不快な思考にとらわれる。だがそうした「侵入思考」が重い精神疾患の徴候である場合もある。心的外傷後ストレス障害(PTSD)のフラッシュバックやうつ病の強迫的 … 続きを読む

カテゴリ 2018年6月号, SCOPE & ADVANCE

共感の功罪

共感は社会生活を送ったり,親密な人間関係を築くうえで重要だ。また,共感の1つ「同情」は他者の苦しみを和らげようと手を差し伸べる動機となっている。だが,共感には負の側面がある。共感は親族や友人など親しい人に偏り,よそ者には … 続きを読む

カテゴリ 2018年6月号, 記事

意識の有無を見分けるテスト

脳画像化ツールをもってしても,重度の脳損傷患者に意識があるかどうかを医師が判断するのは難しい場合がある。彼らはどんな内容にせよ何かを経験しているのか? それとも意識は肉体から離れ,宿っていないのか? 磁気パルスで脳を“ザ … 続きを読む

カテゴリ 2018年4月号, 記事

Schizophrenia’s Unyielding Mysteries / ゲノム解析でわかった複雑さ

Last year, when researchers   in Cambridge, Mass.,   announced that they   had found a gene strongly   linked to a higher risk of   schizophrenia, the news   media reac … 続きを読む

カテゴリ 2018年1月号, 英語で読む日経サイエンス

酸性脳と精神疾患〜日経サイエンス2018年1月号より

パニック障害など一部の疾患と脳の低pH値が関連づけられている   Graphic by Amanda Montañez 人間の脳では酸性度が頻繁に変化しており,ときどき急上昇する。この一時的急上昇の原因は主に, … 続きを読む

カテゴリ 2018年1月号, SCOPE & ADVANCE

ゲノム解析でわかった複雑さ

大勢の人のゲノムを調べるゲノムワイド関連解析を通じて統合失調症の原因となる遺伝子変異を探り出そうとする研究が続いてきたが,これまでの成果は当初の期待に応えていない。関連の遺伝子は確かにいくつも見つかったが,いずれも影響は … 続きを読む

カテゴリ 2018年1月号, 記事

心のなかの独り言 内言の科学

「今日は午前中にあの仕事を片づけるぞ」と気合いを入れたり,「こんなミスをするなんてバカだなあ」と自分を叱ったり,私たちは頭のなかで声にならない独り言をつぶやくことが多い。自分に語りかけるこの独り言は「内言」と呼ばれ,行動 … 続きを読む

カテゴリ 2018年1月号, 記事

男女の脳はどれほど違う?

男性の脳と女性の脳は明らかに違うと一般には考えられている。だが,テルアビブ大学の神経科学者ジョエルらが多数の脳画像を解析した新研究によると,ほとんどの人の脳は男性的な特徴と女性的特徴が入り交じったモザイクだと考えられる。 … 続きを読む

カテゴリ 2017年12月号, 記事

連想を生むニューロン集団

「一見魅力的な投資話に乗る価値があるかどうかは,その情報の出所で決まる。例えば,その話を持ってきた人物が誠実かどうかだ。情報の出所とその人の性格についての記憶がリンクしていないと,惨憺たる結果を招きかねない。神経科学では … 続きを読む

カテゴリ 2017年11月号, 記事