タグ : 神経科学

脳損傷で葛藤なし?〜日経サイエンス2007年8月号より

 暴走列車の前に誰かを突き出せば別の5人の命が助かるとしたら?1人を犠牲にすることに迷いを禁じ得ないだろう。しかし腹内側前頭葉皮質(VMPC)に損傷のある人は,まるで躊躇しないかもしれない。この領域は前脳の一部で,情緒反 … 続きを読む

カテゴリ 2007年8月号, SCOPE & ADVANCE

痛みを抑える 新薬開発の最前線

 現在使われている一般的な鎮痛薬は,何百年前の民間療法がもとになっている。アヘン剤はケシから,アスピリンはヤナギの樹皮から得たものだ。アスピリンの鎮痛効果には限界があり,激痛には効き目がない。アヘン剤はさらに強力な薬だが … 続きを読む

カテゴリ 2006年9月号, 記事

新ニューロンは何のため?〜日経サイエンス2006年9月号より

 マウスの成体は,おもちゃや回し車のある広々とした場所に置かれると,新しいニューロンを通常よりも多く形成する。このため,こうした環境下で学習と記憶が向上するのはもちろん,不安感が減るのもニューロンの生成(神経新生)による … 続きを読む

カテゴリ 2006年9月号, SCOPE & ADVANCE

子育てで賢くなる母の脳

 女性は生まれつき母親なのではない。母親になるのだ。ラットからサル,ヒトまで,ほとんどすべてのメスの哺乳類は,妊娠し母親になると行動が根本的に変化する。それまでひたすら自己の欲求と生存だけを追求していた生物が,子どもの世 … 続きを読む

カテゴリ 2006年4月号, 記事

サヴァン症候群 その驚異の能力を探る

 「サヴァン症候群」は1887年にダウン(J. Langdon Down)が初めて名付け,紹介した疾病だ。彼はこの病気と驚異的な記憶力とのかかわりを指摘し,症例としてギボン(Edward Gibbon)の『ローマ帝国衰亡 … 続きを読む

カテゴリ 2006年3月号, 記事

脳にチップを初めて埋めた男 ホセ・デルガードの早すぎた挑戦

 1970年代初め,エール大学の生理学教室の教授,デルガード(Jose Manuel Rodriguez Delgado)は世界で最も話題となり,かつ論争を巻き起こす神経科学者の1人だった。1970年,New York … 続きを読む

カテゴリ 2006年2月号, 記事

記憶を固定する分子メカニズム

 消滅してもよい記憶と残すべき記憶。脳はそれをどのようにして決定し,どこから指令を出しているのだろうか。短期記憶も長期記憶もニューロン(神経細胞)どうしがシナプスと呼ばれる結合部でつながったときに生まれる。短期記憶ではシ … 続きを読む

カテゴリ 2005年5月号, 記事

脳を揺さぶる音楽

 音楽にこんなにも心を動かされるのはなぜだろうか。私たちの脳は音楽をどう処理しているのだろうか。脳画像に基づく最新の研究から,その秘密が少しずつ見えてきた。    意外なことに,音楽を処理する特別な「中枢」は存 … 続きを読む

カテゴリ 2005年3月号, 記事

脳をあやつる虫

 私たちは少し謙虚になったほうがよさそうだ。ある種の微生物は動物の脳に寄生し,神経回路を巧妙に操っている。人間にはとても真似できないやり方で……。    細菌や原生動物,ウイルスは私たちの細胞を乗っ取り,私たち … 続きを読む

カテゴリ 2003年6月号, 記事

パーキンソン病への応用

 パーキンソン病は,脳のなかでドーパミンを分泌するニューロンが死滅することによって生じる。手足がふるえる,体がこわばるといった症状の出るこの病気の治療の第一選択は,L-ドーパをはじめとする薬物療法だ。最近では脳の深部に電 … 続きを読む

カテゴリ 2003年6月号, 記事

脊髄損傷治療への道

 私は当初,神経の発生過程において中枢神経系を構成する細胞の多様性がどのように形成されてくるかに興味をもち,その制御機構を研究していた。そのうち,研究対象を多様性のもととなる神経幹細胞に絞っていった。1998年に成人の脳 … 続きを読む

カテゴリ 2003年6月号, 記事

ホシバナモグラの驚異の鼻

 ホシバナモグラ(Condylura cristata)の体重はわずか50g,マウスのほぼ2倍しかない。米国北東部やカナダ東部の湿地の浅いところにトンネルを掘って住み,地下と水中の両方で餌をとる。モグラの仲間(哺乳類食虫 … 続きを読む

カテゴリ 2002年10月号, 記事

児童虐待が脳に残す傷

1994年,ボストン警察はロクスベリーにあるアパートの不潔な一室に閉じこめられていた4歳の男の子を助け出した。この子はその部屋で恐ろしく惨めな生活を送っていて,栄養失調になっていた。かわいそうに,その小さな手はひどい火傷 … 続きを読む

カテゴリ 2002年6月号, 記事

ウイリアムズ症候群が明かす脳の謎

 IQ(知能指数)がわずか49の10代の女性に象の絵を描いてもらったところ,何が描いてあるのかはほとんど判別できなかった。ところが,象について話をしてもらうと,その話は印象深く朗々と叙情的でさえあった。「それは長い灰色の … 続きを読む

カテゴリ 1998年3月号, 記事