タグ : 神経科学
子育て支援の神経科学
子ども時代の最初の数年間はチャンスに満ちている。子どもの脳が体験を最も柔軟に受け入れ,可塑性に富んでいるのが,この最初の重要な時期だ。脳の成長の85%は生まれてから3歳までの間に起こる。この時期には毎秒100万個の神経接 … 続きを読む
記憶の脳波〜日経サイエンス2022年12月号より
睡眠時の脳波が個別の学習と結びつけられた 睡眠中の脳に生じる「睡眠紡錘波」という特徴的な脳波は長い間,最近に形成された記憶全般の強化と関連づけられてきた。新たな研究は,この電気活動の高まりを覚醒時の個別の学習行動と結びつ … 続きを読む
カテゴリ 2022年12月号, SCOPE & ADVANCE
幻の指〜日経サイエンス2022年7月号より
6本目の指を生む異様な錯覚 脳にはその人の体についての地図があり,特定の身体部位の知覚や制御を専門とするニューロンが存在する。だが近年の研究によると,この表象には変更の余地がかなりあるらしい。2016年のあ … 続きを読む
カテゴリ 2022年7月号, SCOPE & ADVANCE
痛みが美味しさに変わるメカニズム
2021年10月。この年のノーベル生理学・医学賞の受賞者のもとに,色とりどりのタバスコソースのセットが届けられた。ファミリーレストランで見かけるような,卓上サイズのビンが化粧箱に並んで入っている。お祝いの品ならもっと豪華 … 続きを読む
なぜ記憶は失われるのか見えてきた脳回路の変調
私の祖母はアルツハイマー病だった。小学校教諭として長年働き,とても朗らかな人であったが,70歳代後半になって物覚えが悪くなった。あるとき,自分が置いたのとは違う場所に財布がある,あなたお金取ったでしょう!と言いだした。自 … 続きを読む
血液脳関門の破れがもたらす認知症
脳内の血管には特殊な細胞が密着結合してできた“壁”があり「血液脳関門」と呼ばれている。壁といっても機能的にはフィルターに近く,血液中の酸素や重要な栄養素を脳細胞に到達させる一方,神経細胞を傷つける恐れのある病原体や特定の … 続きを読む
特集:アルツハイマー病の意外な引き金
認知症を引き起こすアルツハイマー病。脳にアミロイドという異常なタンパク質が蓄積するために神経細胞が死滅することによって起きると考えられ,このタンパク質を除去する治療薬の開発が進んできた。だがその期待は外れ,病気の進行を食 … 続きを読む
The Stuttering Mind / 吃音症はなぜ起こるのか 神経科学が示す治療の糸口
Lee Reeves always wanted to be a veterinarian. When he was in high school in the Washington, D.C., suburbs, he went to an animal hospital near his house on a busy Saturday morning to apply for a job. … 続きを読む
カテゴリ 2022年1月号, 英語で読む日経サイエンス
吃音症はなぜ起こるのか
吃音は何千年も前から認識されており,全ての言語と文化で見られる。米大統領のバイデンをはじめ,吃音のあった有名人は多数いる。古代ギリシャの雄弁家デモステネスは言葉がつっかえないようにするために小石を口に入れて練習した。20 … 続きを読む
温度受容体と触覚受容体の発見
2021年のノーベル生理学・医学賞は,温度受容体および触覚受容体を発見した功績で,米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のジュリアス(David Julius)と,米スクリプス研究所のパタプティアン(Ardem Pat … 続きを読む
感覚経験は脳のどこで生まれるのか 電気刺激で意識を探る
次の体験談について考えてみよう。 ●数km先に嵐が見え,同じ方向にある丘を越えなくてはならない。「嵐の中,果たして丘を越えられるだろうか」と自問する。 ●黒い背景に白い点々が見え,夜空の 星を見上げているような感じだ。 … 続きを読む
反抗期の脳とうまく向き合うには
青年期の脳は,相手の表情や身振りなどの社会的なサインに敏感に反応する。この時期の若者は社会貢献に意義を見いだす大事なときでもある。“上から目線”の助言は反発されるが,敬意をもって接すればうまくいくかもしれない。 再録: … 続きを読む
失った手を取り戻す 移植手術でわかった神経の可塑性
世界には手の移植を受けた人が100人近くいる。感染などで再び切除せざるを得ないこともあるが,中には20年以上使い続けている人も。手を失うと,脳の運動野や感覚野の一部が変化して健常なときのようには機能しなくなるが,新たな … 続きを読む
脳と心のはざまの病気 機能性神経症状症
かつて「ヒステリー」や「転換性障害」などと呼ばれた疾患は原因がはっきりしない謎の病気とされた。近年は精神科と脳神経内科の間に位置する複雑な疾患として「機能性神経症状症」の名称でとらえ直されている。過去10年ほどで脳画像に … 続きを読む
予測の代償〜日経サイエンス2021年6月号より
記憶がおろそかになるようだ 予測という作業が,現在の出来事を記憶する妨げになることが,最近の研究で示唆された。出来事の記憶に関与している海馬という脳領域は,経験をもとに予測する作業(「統計的学習」と呼ばれる)も担ってい … 続きを読む
カテゴリ 2021年6月号, SCOPE & ADVANCE