タグ : 社会学
ガスライティング 相手の現実認識をゆがめる虐待
チャンドラ(仮名)の12年間の結婚生活を通して,夫の浮気は常態化していた。彼女がその証拠を見せると夫から,お前は「頭がおかしい」「嫉妬深い」「被害妄想だ」と言われたという。彼はよく「理性的でない」という言葉を使ったが,こ … 続きを読む
南米アマゾン 現在を生きる先住民 アシャニンカの選択
南米アマゾンの森に,現代の主流社会を味方につけながら伝統的な生き方を守っている先住民がいる。アシャニンカ族の人々だ。シャーマニズムの神秘的精神性の一方で,アマゾンを破壊する資源採取産業を当局や非政府組織の協力を得て排除す … 続きを読む
ミリシア 先鋭化する米国の民間武装勢力
「野外演習イベントの場所はここ?」車の窓越しに私は聞いた。2008年4月の冷たい雨が降る朝で,場所はミシガン州中央部だった。全身に迷彩柄をまとい,胸に斜めがけした自動小銃AK-47に慣れた感じで手を当てて1人で立っていた … 続きを読む
熱くなる極北のるつぼ スヴァールバル諸島からの報告
2014年,サッバティーニ(Mark Sabbatini)は自宅アパートのコンクリートの壁にひび割れが入っているのに気づいた。彼がここスヴァールバル諸島に来てから6年がたっていた。バレンツ海の遠い沖合,ノルウェー北端から … 続きを読む
The Pandemic We Forgot / 忘れられたパンデミック スペイン風邪の集合的記憶
In 1924 Encyclopædia Britannica published a two-volume history of the 20th century up to that point. More than 80 authors—professors and politicians, soldiers and scientists—contributed chapter … 続きを読む
カテゴリ 2021年7月号, 英語で読む日経サイエンス
忘れられたパンデミック スペイン風邪の集合的記憶
世界で数千万人の命を奪った1918~1919年のインフルエンザ(スペイン風邪)は終息後まもなく人々の話題から消え失せた。社会の「集合的記憶」として残りにくい側面があったためだと考えられる。昨年来の新型コロナウイルス感染症 … 続きを読む
科学不在からの脱却 バイデンに課された4つの難題
米国の新政権は前任者が残した大きな傷を修復せねばならない。トランプ前大統領は科学と敵対し,エビデンスを無視し,陰謀論を広め,現実そのものを拒絶した。米国社会はなおも分断している。バイデン新政権が取り組むべき最初のステップ … 続きを読む
情報操作社会に生きる
人間は生来,感情的な刺激に反応しやすく,もともと持っていた信念あるいは偏見を強めるものなら誤情報でも共有する。ところがソーシャルプラットフォームの設計者たちは,人のつながりは寛容をもたらし,憎しみを緩和すると信じて疑わな … 続きを読む
格差が加速する環境破壊
貧しい人々は環境破壊からより大きな悪影響を被っている。環境の利用ないし乱用によって利益を得る人たちが害を被る人たちよりも経済的・政治的に強い力を持っている場合,この力のアンバランスは環境破壊を助長する結果になる。また,住 … 続きを読む
仕組まれた経済 格差拡大の理由
米国の経済格差は特に大きく,先進諸国のなかで実質的に最大だ。以前からの格差に加え,米国の政治システムによって富裕層が政治的影響力を得て自分たちに有利なように法律を変え,不平等を拡大している。政治におけるカネの力を抑えてこ … 続きを読む
特集:格差を科学する
経済的不平等は貧しい人だけでなく金持ちや中流層にも悪影響を及ぼし,地球環境まで害する。この特集では,格差がもたらす広範な影響について考える。ノーベル経済学者のスティグリッツは米国の経済格差の起源を説明し,是正策を示唆。神 … 続きを読む
フェイスブック男女格差〜日経サイエンス2019年1月号より
ソーシャルネット利用の男女差は他の男女格差の代理指標となるようだ ソーシャルメディアは猫の動画や赤ちゃんの写真を伝えるのに加え,有益な人口統計情報をもたらすことがあるようだ。女性によるフェイスブックの使用が … 続きを読む
カテゴリ 2019年1月号, SCOPE & ADVANCE
データで見る男女格差
男女平等に向けた前進はあるものの,多くの格差が残っていることがデータから示されている。経済的機会と社会的機会に関して,女性はいまだに男性よりも不利な条件に置かれている。国会議員に女性が少ないことなど,こうした男女格差(ジ … 続きを読む
ネット化された霊長類
ソーシャルメディアのおかげで孤独や退屈を感じることはもうなくなったが,皮肉にも一方では最も近しい人たちへの思いやりが薄れたほか,自分自身と向き合うことすら難しくなっている。マサチューセッツ工科大学の社会学者タークルはこ … 続きを読む