タグ : 生態学

野生動物のマイクロバイオーム〜日経サイエンス2023年4月号より

希少動物の生き残りのカギが,その腸内細菌に隠されている ニュージーランドにいる絶滅危惧種フクロウオウム(現地語の呼称はカカポ)は世界で最も体重の大きなオウムで,飛べない夜行性の鳥だ。よい香りがするモスグリーンの羽と,ほお … 続きを読む

カテゴリ 2023年4月号, SCOPE & ADVANCE

夜の闇を守れ 生態系を惑わす都市の光

過剰あるいは不要な照明がもたらす公害である「光害」。ある研究によると,北米では人口の80%が,日本では人口の70%が,夜空が明るすぎて天の川を見ることができない地域に住んでいる。また別の研究よると,光に照らされた地表の面 … 続きを読む

カテゴリ 2023年3月号, 記事

お役立ちスズメバチ〜日経サイエンス2023年1月号より

植物から呼び出されて種子散布を助けている スズメバチはジンコウ(沈香)の木が毛虫に食われたときに遭難信号として発する化学物質を感知して飛んで行き,その木を攻撃している毛虫にありつこうとする。だがハチが到着したとき,そこに … 続きを読む

カテゴリ 2023年1月号, SCOPE & ADVANCE

寄生虫の知られざる生態〜日経サイエンス2022年12月号より

動物の糞が含むDNA断片を調べると… ヤギとカバがサバンナの水飲み場で分け合うのは飲み水だけではないかもしれない。水や食物を介して広がる腸内寄生虫もシェアされる可能性がある。これらの寄生虫は発育不全から飢餓,死亡まで様々 … 続きを読む

カテゴリ 2022年12月号, SCOPE & ADVANCE

京の都のオオサンショウウオ  交雑問題の現在

「オオサンショウウオの赤ちゃんがおるで!」 京都水族館(京都市)の館内に子どもたちの声がこだました。入館ゲートを抜けるとすぐに現れるのはオオサンショウウオのコーナー。今年9月にリニューアルしたばかりで,展示内容が大幅に拡 … 続きを読む

カテゴリ 2022年12月号, 記事

悪者ばかりじゃない 寄生虫の意外な役割

寄生虫について,人間にとって厄介で有害な小さな細長い生き物という以外に少しでも知っている一般人はほぼ皆無だろう。また,そのような生物学者も比較的少ない。そのため,今日の寄生虫に関する知識のほとんどは寄生虫を殺す方法の研究 … 続きを読む

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カキを導くエビの音〜日経サイエンス2022年11月号より

テッポウエビが発する音によってカキの幼生を新たな岩礁に誘導できる カキ礁はかつて多くの海底を一面に覆って海水を濾過し,海岸線を安定に保ち,膨大な生物のすみかとなっていた。だが過去200年間に,底引き網漁船が世界のカキ礁の … 続きを読む

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地下深くの岩清水〜日経サイエンス2022年3月号より

樹木の根は岩盤にまで侵入して水分を得ている場合が多い   樹木の根が軟らかな土壌の下まで伸び,硬い岩盤に入り込むことがある。そうした事例の報告は昔からあったが,極めてまれだったため,単なる例外と見なされていた。 … 続きを読む

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海鳥のホットスポット〜日経サイエンス2022年2月号より

北大西洋の食物豊富な海域に年間数百万羽の渡り鳥が集まる   スコットランドとバミューダ諸島の中ほどに,はるか遠くから毎年何百万羽もの海鳥を引き寄せる海域がある。過去数十年分の追跡データを用いた最近の研究によって … 続きを読む

カテゴリ 2022年2月号, SCOPE & ADVANCE

虫の足をすくうシワ〜日経サイエンス2021年4月号より

植物の葉に興味深い防虫機構を発見 植物は葉を食べる腹ぺこの昆虫を撃退するために驚くほど多様な戦略を進化させた。嫌な味がする毒物やねばねばの樹脂,鋭いとげなどがよく知られているが,先ごろ別の新たな防御策が発見された。葉の表 … 続きを読む

カテゴリ 2021年4月号, SCOPE & ADVANCE

Animals Apart / 動物のソーシャル・ディスタンシング

On a shallow reef in the Florida Keys, a young Caribbean spiny lobster returns from a night of foraging for tasty mollusks and enters its narrow den. Lobsters usually share these rocky crevices, and t … 続きを読む

カテゴリ 2020年10月号, 英語で読む日経サイエンス

動物のソーシャル・ディスタンシング

新型コロナウイルス感染症の拡大抑制策として実施されたソーシャル・ディスタンシングは不自然でつらく感じられたかもしれないが,自然界では昆虫から魚,鳥,哺乳類まで多くの動物が致死的な病気の広がりを抑えるために行動を様々に変え … 続きを読む

カテゴリ 2020年10月号, 記事

デルタ地帯の行方〜日経サイエンス2020年7月号より

過去数十年で拡大したが…   地球の河川にできるデルタ(三角州)には昔から重要な港や湿地がある。海面上昇にもかかわらず,経済的にも生態学的にも重要なこれらのデルタがここ数十年で全体として拡大していることがわかっ … 続きを読む

カテゴリ 2020年7月号, SCOPE & ADVANCE

旅する蝶 オオカバマダラ激減の真相

 毎年,何百万匹ものオオカバマダラが越冬地であるメキシコから夏の繁殖地である米国東部やカナダまで旅をする。この個体群の冬の個体数は激減しており,その原因は除草剤にあると考えられていた。オオカバマダラの繁殖に欠かせない植物 … 続きを読む

カテゴリ 2020年6月号, 記事

抗生物質に新たな問題〜日経サイエンス2020年5月号より

ウシへの投与が炭素循環に影響する   BobMacInnes 抗生物質が初めて家畜に用いられた1940年代半ば以降,その妥当性をめぐって議論が続いている。昨年12月のEcology Letters誌に掲載された … 続きを読む

カテゴリ 2020年5月号, SCOPE & ADVANCE