タグ : 環境

南極海の白い雲〜日経サイエンス2023年9月号より

海の植物プランクトンがその白さに一役買っている 太陽光が地球への8分間の旅を終えて雲などの白色面に当たると,ほとんどは宇宙空間へ跳ね返される。より白くて明るい雲ほど太陽光をよく反射し,地球を涼しく保つのに寄与している。最 … 続きを読む

カテゴリ 2023年9月号, SCOPE & ADVANCE

技術で革新 鮭,カキ,ムール貝の養殖 米メイン州の挑戦

ニューウェル(Carter Newell)は,メイン州屈指の生産高を誇るムール貝養殖場のオーナー兼経営者だ。まだ寒さ厳しいある春の日の朝,私は彼と2人のスタッフと共にボートに乗り,近くのはしけに向かった。穏やかな汽水の入 … 続きを読む

カテゴリ 2023年2月号, 記事

河川修復のカギは「川底」にあり ハイポレーイックゾーン

北米大陸の北西部沿岸に暮らす先住民にとってサケは非常に重要な存在であり,先住民のなかには自分たちを「サーモン・ピープル」と呼んできた集団もある。だが入植者が持ち込んだ営農法と都市開発が,この力強い魚を打ちのめした。 雨水 … 続きを読む

カテゴリ 2022年12月号, 記事

生物から新薬候補続々 コロナ,がん,マラリア

スペインのイビサ島の南西沖にある岩だらけの無人島,エス・ベドラ島。ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場する,船乗りを死に誘う海の妖精セイレーンにちなんだこの切り立った島の沖合から生まれたのは,人びとを病から救う薬だっ … 続きを読む

カテゴリ 2022年10月号, 記事

特集:深海 新発見

「人間を海のなかに入れたら,ほとんど無力だ」とモントレー湾水族館研究所の海洋生態学者ベノワ=バード(Kelly Benoit-Bird)はいう。「息ができない。伸ばした腕の先端あたりまでしか見えない。聞こえてくる音が何な … 続きを読む

カテゴリ 2022年10月号, 記事

アグロエコロジー 地域の知恵で目指す 貧困からの脱出

飢えに苦しむ人々を救うため,今取り組むべきことは何だろうか。農作物の品種改良? 高効率の化学肥料? 国際的な援助? 残念ながら,いずれも根本的な解決策にはならない。 過去10年間の食料生産量はおおむね需要を上回っているが … 続きを読む

カテゴリ 2022年7月号, 記事

強力な温暖化ガス 石油プラントのメタン漏出を見逃すな

メタンは米国が排出する温室効果ガスの約10%にすぎないが,10年以上にわたって熱を閉じ込めるという点で,二酸化炭素よりはるかに強力な温室効果ガスだ。大気中のメタン濃度は2007年以降,上昇し続けている。米海洋大気庁(NO … 続きを読む

カテゴリ 2022年5月号, 記事

水銀の流れ〜日経サイエンス2022年3月号より

この有毒金属が近海に至るルートは大気経由よりも河川であるようだ   Nature Geoscience誌に報告された最近の研究によると,世界で毎年1000トンもの水銀が河川によって沿岸部に運ばれている可能性があ … 続きを読む

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掃除屋はスイッチグラス〜日経サイエンス2021年11月号より

軍事演習場の有毒物質を吸収・分解   米国には推定1000万ヘクタールに上る軍事演習場があり,その土壌には弾薬の化学物質が浸み込んでいる。そうした化学物質の一種であるRDXという爆薬(成分はトリメチレントリニト … 続きを読む

カテゴリ 2021年11月号, SCOPE & ADVANCE

さらばグローバル経済 持続可能な地球を実現する方法

 パンデミックは世界中で深刻な不平等と不満を生み出し,グローバル経済の脆弱さを露呈した。これに対し,地元で食料や水,エネルギーを自給し,互いに助け合う地域社会は強さを発揮している。人が人とともに,そして自然とともに生きる … 続きを読む

カテゴリ 2021年11月号, 記事

イッカクの記録〜日経サイエンス2021年9月号より

その牙に北極の環境変化が刻まれている   イッカクの牙が環境に関する数十年分の情報を記録し,北極の変化を明確に示していることが,最近のCurrent Biology誌に報告された。らせんを描いて伸びるイッカクの … 続きを読む

カテゴリ 2021年9月号, SCOPE & ADVANCE

ロケット大量打ち上げ時代の大気汚染

ジェット機とは違って,宇宙ロケットの排ガスが地球環境に及ぼす影響はこれまで軽視されてきた。だが民間宇宙産業の拡大が期待される現在,その持続可能性に目を向ける必要がある。航空機の排ガスとロケットの排ガスはまったく異なる道筋 … 続きを読む

カテゴリ 2021年8月号, 記事

ロックの危機 気候変動がエレキギターを脅かす

世界有数のエレキギターには湿地に生える「スワンプアッシュ」という木が使われている。米国中部のミシシッピ川下流域が産地だが,気候変動に伴う洪水でこの木が枯死する例が増え,有力メーカーがこの木材の利用を断念した。外来昆虫によ … 続きを読む

カテゴリ 2021年7月号, 記事

知られざる水源 山岳氷河の危機

ネパールのヤラ氷河の突端,標高5300mの地点に張ったテントで過ごす夜は長い。午後8時,遠征調査隊の総勢10人は,ネパール料理のダルバート(レンズ豆のスープを添えた飯)の食事を終えると,仮の宿りとなる小さなテントの中で寝 … 続きを読む

カテゴリ 2021年6月号, 記事

地球温暖化対策の誤算 植物バイオマスが足りない

地球温暖化を抑えるための現在の計画は大気中の二酸化炭素(CO2)の吸収・固定を樹木などの植物に頼りすぎている。植物由来のバイオ燃料をCO2回収・貯留と組み合わせて利用する方法を本格的に活用するには大量の植物バイオマスが必 … 続きを読む

カテゴリ 2021年2月号, 記事