タグ : 火山
プレートの裂け目から生まれた大地 シャツキー海台
2015年10月中旬,海洋調査船ファルコーのデッキにある科学調査室で,私は太平洋の巨大な海底火山「タム山塊」の周囲の海底を描いた地図に記された,ほぼ平行に並ぶ縞模様を眺めていた。それは海底に,岩石の磁化が互いに逆向きにな … 続きを読む
海底探査が明かす太古のドラマ
2009年9月,私は横浜港から出発した米国の深海掘削船ジョイデス・レゾリューションに乗り込み,日本から約1500kmの東方沖へと向かっていた。総勢32人の国際研究チームで,太平洋の深海底から突き出した広大な台地「シャツキ … 続きを読む
鬼界カルデラを探る 海底溶岩ドーム発見
日本列島ではここ約10万年で10回,超巨大噴火が起きた。直近は7300年前に九州南方の火山島で起きた鬼界カルデラ噴火で,火砕流が鹿児島県南部を襲って南九州の縄文文化が滅び,東北地方まで火山灰が降った。 近年,その超巨大 … 続きを読む
ラグナ・デル・マウレ 超巨大火山覚醒の仕組み
超巨大火山(スーパーボルケーノ)は内部に途方もない破壊力を蓄積しており,大陸の形を変えるほどの大噴火を起こす場合がある。人類がその種の大噴火を目にしたことはまだないが,南米アンデスの高地ラグナ・デル・マウレで火山系が発達 … 続きを読む
草津白根山に見る不意打ち噴火のメカニズム
草津白根山の1月の噴火は予想外の時期に意外な場所で起き,火口近くにいた訓練中の自衛隊員とスキー客に死傷者が出た。この不意打ち噴火に火山学者は驚いたが,ここ数年の火山性地震や噴気活動の推移を注意深く調べると今回の噴火がどの … 続きを読む
大噴火は予測できるか 地下構造から探るシナリオ
1980年に予想以上の大噴火を起こし,57人の犠牲者を出した米セントへレンズ山。その地下で何が起きているのか,明らかにする試みが進んでいる。人工地震の伝わり方や地下に流れる電流の測定,噴出した溶岩の分析など,あらゆる手段 … 続きを読む
フィリピン海プレートの動きを探る
房総半島沖には陸側プレートと太平洋プレート,フィリピン海プレートが海溝とトラフを介して結びつく「三重会合点」がある。 三重会合点がフィリピン海プレートの動きによってどう変化するか模型を使って思考実験した結果,陸側プレート … 続きを読む
東北の山脈はこうしてできた
日本列島は東日本を中心に300万年前から東西方向の圧縮を受け,険しい山脈や盆地,平野などが形成された。その理由は不明だったが,300万年前,沈み込んだフィリピン海プレートが関東直下のマントル内で,東日本が乗るプレートと太 … 続きを読む
古文書が語る肥後地震
東日本大震災に続き,熊本を中心に九州中部で大きな地震被害が出たが,同じような被害地震の発生パターンが平安時代前期にもあった。古文書に残された地震の記録は,今後の地震活動の推移を考える手がかりになる。西日本を複数ブロックに … 続きを読む
箱根山 大涌谷噴火を読み解く
箱根山の大涌谷で6月末に小規模な噴火が起きた。5月初めに蒸気井の暴噴,4月末に群発地震が始まっていたが,噴気の分析によると,噴火につながる地下の異変は2月には始まっていたようだ。 大涌谷の地下約10kmにマグマ溜まり … 続きを読む
西之島噴火と巨大深発地震
小笠原諸島の西之島が噴火,島が大きく成長している。噴火をもたらしたマグマは周辺の火山島とは異なる種類で謎が多い。そのマグマを調べることで,海惑星だった原始地球で大陸が誕生した仕組みを探ることができる。 噴火中の西之島のほ … 続きを読む
特集:大地の変動を探る
太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込む伊豆・小笠原海溝付近で,研究者が注目する2つの出来事が起きた。1つは小笠原父島の西約130kmにある西之島の噴火で,今も噴煙が上がっている(写真は海上保安庁提供)。もう1 … 続きを読む
浮かび上がるメカニズム
火山には2タイプある。1つは桜島や浅間山などのような通常起きている「山体噴火」。もう1つは,莫大なマグマの放出によって地表に大きな凹み(カルデラ)を生み出す「巨大カルデラ噴火」だ。過去約12万年間に日本で起きた火山噴火の … 続きを読む