タグ : 温暖化
日本海の海底岩石層にCO₂を閉じ込める
1996年の夏,私(著者のひとりである中村)は,西オーストラリア北部のマーブルバーと呼ばれる町の近郊で,灼熱の砂漠の上に立っていた。足元には丸みを帯びた円柱状の溶岩が積み重なった,特異な形の岩石が広がっていた。「枕状溶岩 … 続きを読む
線状降水帯の発生原因 「大気の川」を予報する
ある月曜日の朝,私はサンフランシスコのダウンタウンにあるシアーズファインフードで朝食を食べながら,カウンターの向こうにあるテレビに映る地元の週間天気予報を何気なく見ていた。画面下に小さなマークが並び,左端のニコニコお日様 … 続きを読む
貝の毒化を監視せよ アラスカの海辺に温暖化の脅威
貝を採るアラスカ先住民の多くは長年,海が温かくなる夏の間の潮干狩りは避けてきた。有毒藻類の大量発生「有害藻類ブルーム」が起きやすく,藻類の毒素を魚介類が取り込んで体内に蓄積する可能性があるからだ。 ところが,有害藻類ブル … 続きを読む
賢い農法で地球を救う
1930年代に米国中西部を襲った砂嵐「ダストボウル」は土壌劣化が招く破滅的な結果を世に示した。それまでの数十年に及ぶ農耕によってグレートプレーンズ(中西部の大平原)の肥沃な土が剥ぎ取られ,干ばつの影響を受けやすくなって … 続きを読む
知られざる水源 山岳氷河の危機
ネパールのヤラ氷河の突端,標高5300mの地点に張ったテントで過ごす夜は長い。午後8時,遠征調査隊の総勢10人は,ネパール料理のダルバート(レンズ豆のスープを添えた飯)の食事を終えると,仮の宿りとなる小さなテントの中で寝 … 続きを読む
台風の移動,今世紀末に10%遅く〜日経サイエンス2020年4月号より
気象研など予測,大雨や強風の被害拡大も 厳しい温暖化対策を講じなければ,今世紀末には日本が位置する中緯度帯を通過する台風の移動速度は平均で約10%遅くなるとの予測を,気象庁気象研究所などの研究グループがまとめた。台風の影 … 続きを読む
カテゴリ 2020年4月号, SCOPE & ADVANCE
雲研究者に聞く 映画に描かれた東京の異常気象
アニメーション監督,新海誠の新作『天気の子』で描かれるのは,未曾有の長雨という異常気象に見舞われた東京。新海監督は雲や雨,空の繊細な描写で定評があるが,今作では,雲研究者として知られる気象庁気象研究所の荒木健太郎博士が協 … 続きを読む
特集 『天気の子』の空
新海誠監督の映画『天気の子』では未曾有の長雨に見舞われた東京が描かれている。映画はフィクションだが,現実世界において長雨や熱波など異常気象の増加と激化は,人類がもたらした地球温暖化が大きな要因であることがほぼ確実視されて … 続きを読む
温暖化で小さくなる動物
太古の化石記録から,環境が温暖化すると動物は小型化することが示されている。地球温暖化が進む現在,魚やヘビ,ヒツジ,チョウ,齧歯(げっし)類などに同様の小型化が見られる。原因は謎だったが,温度に応じて動物の代謝が変わった結 … 続きを読む
温暖化が脅かすワインの味
気候変動で多くのワイン産地の気温が上がっている。気温はブドウの実の糖分や酸,香りを生み出す微量成分を左右するので,産地特有のワインの風味を保てなくなる恐れがある。ブドウ農家はブドウの木の列の向きや葉の配置を変えて日陰を … 続きを読む
Sickness in the Arctic / 温暖化で北極に広がる病気
The sea otters splashing off Alaska’s Aleutian islands should have thrived in their home far from civilization. Instead the furry little creatures were in trouble. Their population throughout the Al … 続きを読む
カテゴリ 2015年2月号, 英語で読む日経サイエンス
温暖化で北極に広がる病気
地球温暖化によって北極の気温が上がり,以前にはいなかった病原体が繁殖して広がるようになった。寄生性の線虫がジャコウウシを冒し,マダニが北極圏の人々にウイルスをうつし,蚊が媒介する野兎病菌がスウェーデンなどで広がっている … 続きを読む
不都合な氷 メタンハイドレート
メタンが氷に封じ込められた形で海底に存在するメタンハイドレート。その資源量は膨大で,石炭・石油・天然ガスなど既知の化石燃料の総埋蔵量を上回るという推定もある。日本は世界に先駆けてメタンハイドレートの海底からの試掘に成功し … 続きを読む