タグ : 気候変動
熱くなる極北のるつぼ スヴァールバル諸島からの報告
2014年,サッバティーニ(Mark Sabbatini)は自宅アパートのコンクリートの壁にひび割れが入っているのに気づいた。彼がここスヴァールバル諸島に来てから6年がたっていた。バレンツ海の遠い沖合,ノルウェー北端から … 続きを読む
賢い農法で地球を救う
1930年代に米国中西部を襲った砂嵐「ダストボウル」は土壌劣化が招く破滅的な結果を世に示した。それまでの数十年に及ぶ農耕によってグレートプレーンズ(中西部の大平原)の肥沃な土が剥ぎ取られ,干ばつの影響を受けやすくなって … 続きを読む
知られざる水源 山岳氷河の危機
ネパールのヤラ氷河の突端,標高5300mの地点に張ったテントで過ごす夜は長い。午後8時,遠征調査隊の総勢10人は,ネパール料理のダルバート(レンズ豆のスープを添えた飯)の食事を終えると,仮の宿りとなる小さなテントの中で寝 … 続きを読む
科学不在からの脱却 バイデンに課された4つの難題
米国の新政権は前任者が残した大きな傷を修復せねばならない。トランプ前大統領は科学と敵対し,エビデンスを無視し,陰謀論を広め,現実そのものを拒絶した。米国社会はなおも分断している。バイデン新政権が取り組むべき最初のステップ … 続きを読む
炭素税の正しい決め方
二酸化炭素(CO2)排出量の削減には炭素税が最も効果的とされるが,課税額は排出1トンあたり1ドル未満から121ドルまで国によって大きく異なる。適切な税率をどう決めればよいのか? CO2排出が気候災害などを通じてどれだけの … 続きを読む
山火事の見えない脅威 機上観測があぶり出す健康被害
「面白い。そう濃くはない」。酔い止めパッチを耳の後ろに付けた大気化学者のクローフォード(Jim Crawford)がコックピットで声をあげた。2019年7月下旬のある日の午後。彼が窓から見ているのは山火事の渦巻く煙。搭乗 … 続きを読む
77万年前の地球を探る
「地球史にチバニアン」。――2020年1月17日,国際地質科学連合は77万4000年前~12万9000年前の地質時代名を日本の千葉にちなんだ「チバニアン」にすることを最終決定。日本の地質学が改めて世界に認められた喜ばしい … 続きを読む
現実になった懸念 温暖化による異常気象
猛暑の後は大型の台風が続いて甚大な被害が出るなど,最近の天気は散々だ。こうした極端気象の増加は世界的な傾向で,背後には地球温暖化がある。もはや自然に生じる変動だけでは説明できない。海水温上昇や大気中の熱と水蒸気の増加とい … 続きを読む
雲研究者に聞く 映画に描かれた東京の異常気象
アニメーション監督,新海誠の新作『天気の子』で描かれるのは,未曾有の長雨という異常気象に見舞われた東京。新海監督は雲や雨,空の繊細な描写で定評があるが,今作では,雲研究者として知られる気象庁気象研究所の荒木健太郎博士が協 … 続きを読む
特集 『天気の子』の空
新海誠監督の映画『天気の子』では未曾有の長雨に見舞われた東京が描かれている。映画はフィクションだが,現実世界において長雨や熱波など異常気象の増加と激化は,人類がもたらした地球温暖化が大きな要因であることがほぼ確実視されて … 続きを読む
異常気象の多発を読み解く
ジェット気流が大きく蛇行すると,夏場の豪雨や熱波につながる。この蛇行パターンが停滞すると,そうした悪天候が何日も続く。ジェット気流の蛇行が大気の共振によってどのように増幅されて異常気象がさらに悪化するのか,量子力学で用い … 続きを読む