タグ : 材料科学

ヤドリギ接着剤〜日経サイエンス2023年1月号より

この寄生植物は優秀な生物接着剤になる ヤドリギと聞くと,クリスマスシーズンのキスを連想する人が多い。だが,この植物はそのずっと昔から長い間,驚異的な粘着力で広く知られていた。古代のギリシャ人やローマ人は,ねばねばしたヤド … 続きを読む

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スーパーゲルを簡単に製造〜日経サイエンス2022年9月号より

丈夫で導電性もある「イオノゲル」を容易に作り出す新手法 柔軟で弾力性のあるハイドロゲル材料は,ソフトコンタクトレンズからフルーツゼリーまで実に多くの分野に使われているが,構造は共通している。高分子の鎖が絡み合った網目構造 … 続きを読む

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コンクリートに充電〜日経サイエンス2021年12号より

ビルは蓄電池になりうる   コンクリートは水に次いで使用量の多い材料だ。構築環境のなかで私たちを取り囲んでいるこの素材に電気を蓄えるアイデアがかねて探究されてきた。ビルを実質的に巨大な蓄電池にしようという考えだ … 続きを読む

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テントウムシの滑らない足〜日経サイエンス2021年9月号より

40年にわたる議論に終止符,決めては足裏の毛にあり 垂直のガラス面にくっつくテントウムシ 細田奈麻絵(物質・材料研究機構)   物質・材料研究機構の細田奈麻絵グループリーダーらは,ガラス面でも滑らずに歩くテント … 続きを読む

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物理が生んだ究極の黒

 16.78カラットの天然の黄色ダイヤモンド。200万ドルのその輝く姿が,消えた。物体自体がなくなったわけではない。ただその表面を,光を全て吸収する特殊な材料で覆ってしまったため,いくら目を凝らしても存在がわからない。ま … 続きを読む

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変色して知らせるウエアラブル〜日経サイエンス2020年11月号より

絹をもとにした特殊なインクが環境中の物質に反応して変色する   色が変わる新開発のインクは,健康管理や環境モニタリングに役立つ可能性がある。汗に触れると色が切り替わる衣服や,室内に危険なガスが入り込むと変色する … 続きを読む

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殺菌金属〜日経サイエンス2020年9月号より

銅にレーザーを当てて表面処理し抗菌特性をアップ   銅の表面に付着した細菌は,ものの数時間で死滅する。この身近な金属の殺菌性をさらに高める新手法が登場した。レーザーを当てて小さな凹凸を作るのだ。   … 続きを読む

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ひび割れで描いた絵画〜日経サイエンス2019年11月号より

プラスチック表面の微細な亀裂がカラー作品を描き出す   人は何千年も前から,色素に基づく絵具やインク,染料を使って美術作品を作ってきた。ところが最近,京都大学の研究チームが表面の微細な形の違いから色が生じる小さ … 続きを読む

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空気清浄網戸〜日経サイエンス2017年6月号より

ナノファイバーをコーティングして粒子状物質の90%を除去   汚染物質をとらえるナノファイバーを使った新しい網戸はスモッグに煙る都市の住民が一息つくことを可能にするかもしれない。このナノファイバーは窒素を含むポ … 続きを読む

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フォスフォレンに熱い視線〜日経サイエンス2015年12月号より

グラフェンよりもトランジスタには好適か   目下のところ,工学分野の驚異の新素材リストの筆頭はグラフェンだ。炭素原子からなるこの単層の素材は信じ難いほどの物理的強度と柔軟性に加え,ユニークな電気特性を備えており … 続きを読む

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印刷方式で作る電池〜日経サイエンス2015年9月号より

ノズルから材料を押し出して一挙に    ゼロックス傘下の有力研究開発企業PARCの技術者によると,電池の印刷は持続可能エネルギーの未来だ。彼らは最近,低コストの電池製造技術を発表した。将来は電池を構成するすべて … 続きを読む

カテゴリ SCOPE & ADVANCE

原子サイズのレゴブロック

材料科学者は今,原子サイズのレゴブロックからインスピレーションを得ている。厚みが原子1個ほどのシート材料で,設計通り正確な順序で積み重ねることができる。構造をかつてないほど細かく制御できるため,これまでは不可能だった電気 … 続きを読む

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曲げられるスマホに一歩前進〜日経サイエンス2015年2月号より

表示画面をしなやかに   近ごろiPhone 6を購入した人の一部は,この新製品が少々たわんでしまうのに気づいて愕然とした。これに対しアップルは,この問題は非常にまれであって,同社製品は高い耐久性基準を満たして … 続きを読む

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グラフェン 鉛筆から生まれたナノ材料

 鉛筆で線を引っぱるたびに,物理学やナノテクノロジー分野でいま最もホットな新素材「グラフェン」の小片が生み出される。このグラフェンは鉛筆の芯の材料であるグラファイト(黒鉛)から生まれる。グラファイトは炭素だけからなる物質 … 続きを読む

カテゴリ 2008年7月号, 記事

準結晶はどこまで解明されたか

 5回対称性をもつ準結晶の発見は,今世紀後半の固体物理学で最も衝撃的な事件であった。現代の物質観で“あってはならないもの”だったからである。150年以上にわたって培われてきた結晶物質の基本テーゼは「周期性」であった。つま … 続きを読む

カテゴリ 1996年7月号, 記事