タグ : 暗黒エネルギー
宇宙膨張の歴史を明かす銀河地図
ダグラス・アダムスのSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』(風見潤訳,新潮社)にあるように「宇宙は大きい。(中略)にわかには信じられぬほど広く,大きく,茫漠としている」。私たち著者を含め多くの天文学者はそんな宇宙のできる … 続きを読む
ハッブル定数 食い違う観測値
宇宙の現在の膨張の速さを表すハッブル定数の値は宇宙論において重要だが,同時に議論の的になっている。比較的最近の宇宙に存在する超新星や星の測定をもとに求めたハッブル定数と,ビッグバン直後に発せられた光を用いて求めたハッブル … 続きを読む
ビッグバンを遂げた宇宙像 太陽系からマルチバースへ
宇宙に関する理解はこの175年で大きく進んだ。SCIENTIFIC AMERICANが創刊された175年前は太陽などの恒星が何でできているかさえ不明だった。現在,私たちは宇宙の歴史を138億年前のビッグバンのわずか10億 … 続きを読む
天の川を従えるラニアケア超銀河団
星が集まって星団や銀河を作るように,銀河は銀河団をなし,その銀河団は超銀河団を作る。これらの超銀河団は並んで巨大なフィラメントやシートを形成しており,その間隙であるボイドとともに,この宇宙で観測できる最大規模の構造を作 … 続きを読む
万物理論を求めて 未解決問題の総仕上げ
晩年のアインシュタインは,この宇宙の力すべてを統べる統一理論を構築しようと努めたが,失敗に終わった。相対論と量子論を一貫した形にまとめ上げる仕事は現代の物理学者に受け継がれ,暗黒物質と暗黒エネルギーの解明や「ひも理論」の … 続きを読む
「すばる」新たな開眼
ハワイ島の高峰マウナケア山頂にある国立天文台の大型望遠鏡「すばる」の超広視野カメラHSC(Hyper Suprime-Cam)が本格稼働した。世界最大の超高感度デジタルカメラで満月9個分の夜空を撮影できる。ファーストラ … 続きを読む
減速から加速へ 宇宙膨張の奇妙な変化(2004年掲載)
SCIENTIFIC AMERICANはその167年の歴史のなかで,著名な科学者が執筆した記事を数多く掲載してきた。150人近いノーベル賞受賞者が合わせて200本を超える記事を寄稿している。SCIENTIFIC AME … 続きを読む
「すばる」を超える史上最大の望遠鏡
私たちの宇宙観は新たな観測装置が登場する度に大きく変わってきた。ガリレオによる望遠鏡の発明はその代表的な例だ。近年でいうと,1994年のハッブル宇宙望遠鏡打ち上げと,1990年代末に相次いだ口径8mの大型望遠鏡の稼働だ … 続きを読む
暗黒物質が作る影の宇宙
私たちが直接見ることのできる宇宙は全体の4%にすぎない。残りは「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」と呼ばれる“暗黒成分”だ。暗黒物質が存在することは星や銀河の異常な運動などからほぼ間違いないが,その正体は依然としてつかめて … 続きを読む
統一理論の父 ワインバーグに聞く
自然界のすべての力を統一する究極理論の構築は現代物理学の最終目標だが,この分野の研究でテキサス大学オースティン校のワインバーグは大きな貢献をした。1960年代,素粒子物理学の基本的な枠組みである「標準モデル」の柱となる … 続きを読む
暗黒エネルギーは幻か?
宇宙は膨張している。これは1920年代に米国の天文学者ハッブルの観測で明らかになった。以来,宇宙膨張は減速していると考えられてきた。物質の重力によってブレーキがかかるので,膨張速度は徐々に小さくなると思われたからだ。 … 続きを読む
ファーストライトから10年 「すばる」が明らかにした宇宙
常夏のハワイ島にそびえるマウナケア山(標高約4200m)。山頂部の夜間の平均気温は0℃,快晴の日が多いが,ときに雪景色になる(マウナケアはハワイ語で「白い山」を意味する)。ここに世界を代表する10を超える大型天体望遠鏡 … 続きを読む