タグ : 感染症

コロナ後遺症 脳神経への深刻なダメージ

ゴームリー(Tara Ghormley)は頑張り屋さんだ。高校時代の成績はクラスで一番,大学の学部を最優等で終え,獣医学の専門課程でも優等生だった。厳格な訓練をこなして獣医内科の専門医として立派なキャリアを築いてきた。だ … 続きを読む

カテゴリ 2023年5月号, 記事

データを駆使したクリミアの天使 ナイチンゲール

1856年夏,ナイチンゲール(Florence Nightingale)はクリミア戦争の激戦地から祖国に帰還した。戦場のあちこちに設けられた英陸軍野戦病院の看護婦長として,彼女は何千人もの病気の兵士が不潔な病棟で苦痛に耐 … 続きを読む

カテゴリ 2023年2月号, 記事

どこまで進んだ? コロナ後遺症の実態解明 原因と治療のヒント

2022年9月の時点で日本国内の累積感染者数は2000万人を超えた。もちろんほとんどの人は回復済みだが,この感染症が厄介なのは回復後に一部の人で後遺症が残る点だ。 新型コロナの後遺症はもはや誰にとっても他人事ではない。一 … 続きを読む

カテゴリ 2022年11月号, 記事

Long COVIDの霧を晴らす 岩崎明子エール大学教授に聞く

新型コロナウイルス感染症の後遺症は,200を超す症状が報告されている。様々な症状があることが病気の理解を阻んでしまい,その原因は当初,完全に霧の中にあった。しかし今,その霧が少しずつ晴れようとしている。 症状が様々に異な … 続きを読む

カテゴリ 2022年11月号, 記事

第2の天然痘になるか 広がるサル痘

発熱や皮膚の発疹などを引き起こすサル痘は,英オックスフォード大などが運営するデータベース「Our World in Data」によれば7月20日の時点で64の国と地域で感染者が1万5000人を上回った。病原性は必ずしも高 … 続きを読む

カテゴリ 2022年9月号, 記事

先進国で意外な増加 日本脳炎・デング熱・マダニ感染症

オーストラリアにおける日本脳炎のアウトブレイクに,ブラジルやシンガポールでのデング熱の大流行。これらは全て,2022年の今,現在進行形で起きている感染症だ。かつて20世紀の終わりごろには,衛生環境の向上と医学の発展で先進 … 続きを読む

カテゴリ 2022年9月号, 記事

社会性昆虫の社会的距離〜日経サイエンス2022年6月号より

ミツバチは感染個体に対して隔離と交流のバランスを取っている   致命的な病原体に対処するためにソーシャルディスタンスを取る動物は人間だけではない。最近のある研究は,ミツバチがミツバチヘギイタダニ(Varroa … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, SCOPE & ADVANCE

なおも消えないウイルス起源の陰謀論

科学の知見が人々の自己コントロール感を脅かすと,遠からず陰謀論が湧いて出るのが常だ。新たなウイルスの出現も例外ではなく,その起源に関する陰謀論を必ず伴ってきた。そうした主張は,はったりを利かす政治関係者によって利用され, … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, 記事

実験室から現場へ 検査を革新したPCR技術

DNAの特定の配列を複製して増やすポリメラーゼ反応(PCR)のアイデアは約40年前に生まれ,この方法によって患者の体内に病原体が存在するかどうかを調べる装置が開発されてきた。ただ,COVID前にはこうした装置があるのは大 … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, 記事

変異株を追跡 暴かれたオミクロン株の正体

新型コロナウイルスの変異株オミクロンは,人類史上で最も急速に広まったウイルスだろう。突出した感染力で知られる麻疹ウイルスの場合,1人の感染者から12日間で15人に広がる。だが,去る冬に爆発的に広がったオミクロン株は人から … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, 記事

データ解説 コロナ禍の社会変化

データをグラフィック表現に可視化する手法は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況をリアルタイムで伝えるという新たな役割を得て,人々の日常生活に重要な意味を持つようになっている。パンデミック初期,このウイルス … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, 記事

多様な変異ウイルスに効く抗体

新型コロナウイルス感染症は,流行当初に比べて患者の治療に使用できる薬の種類が増えてきた。国内でも,ウイルスに直接くっついて活動を封じる中和抗体薬が今夏より本格的に使用され始めている。効果の高い中和抗体薬が実現した背景には … 続きを読む

カテゴリ 2021年12月号, 記事

タンパク質工学の新潮流 ワクチンや抗体医薬を自由に設計する

 2020年4月のある金曜日の夜遅く,ウォールズ(Lexi Walls)はワシントン大学(シアトル)の研究室にひとり居残り,これまでの人生で最も重要な実験の結果を落ち着かない気持ちで待っていた。コロナウイルスが専門のこの … 続きを読む

カテゴリ 2021年12月号, 記事

がんや難病 新たな治療戦略

 mRNAワクチンは新型コロナウイルス感染症との戦い方を一変しただけでなく,「mRNA医薬」という医薬品の新たなジャンルを開いた。  mRNA(メッセンジャー RNA)とはDNAがタンパク質を作る過程で生じる中間生成物で … 続きを読む

カテゴリ 2021年11月号, 記事

新型コロナ 変異ウイルスといかに戦うか

国内の新型コロナウイルス感染症に関するワクチン接種完了率は50%を超えた。接種されたワクチンの大半は,今回の新型コロナで初めて実用化したmRNAワクチンだ。このワクチンは高い有効性と安全性を誇るが,新たな変異を持つウイル … 続きを読む

カテゴリ 2021年11月号, 記事