タグ : 心理学
回復力だけには頼れない
人間の心には生来の立ち直る力が備わっているが,それを過信するのも,また問題が大きい。大災害や事件・事故後の「心のケア」は,2段構えで対処するのが基本だ。 まず,トラウマ体験があった直後に眠れなくなったり,突然気持ちが … 続きを読む
子どもの意外な“脳力”
赤ちゃんや幼い子どもは理不尽で自分本位,分別のない未完の大人だと考えている人は多いだろう。かつて多くの心理学者は,子どもは何も分からない存在だとみなしていた。だが,最近の研究から,子どもは予想以上にさまざまな知識を持ち … 続きを読む
女性は危機に際して結束する〜日経サイエンス2010年9月号より
「闘争か逃走か」は男だけ? 人間は危機に直面すると,それに立ち向かうか,あるいは逃れようとする,と考えられてきた。だが,この「闘争か逃走か」反応が当てはまるのは男性だけなのかもしれない。最近の研究で,女性 … 続きを読む
カテゴリ 2010年9月号, SCOPE & ADVANCE
ネアカかネクラか〜日経サイエンス2009年7月号より
よいことに気づいて喜ぶ楽観的な人と,悪いことを重く受け止めて悩む悲観的な人──人間はふつう,このどちらかに偏っている。あなたはネアカだろうかネクラだろうか。ある一般的な遺伝子変異が,そうした傾向の根底をなしているらしい … 続きを読む
カテゴリ 2009年7月号, SCOPE & ADVANCE
信頼のホルモン オキシトシン
人間どうしが社会的にうまく機能するには,信頼が不可欠だ。しかし,新たに知り合った人を信頼すべきかどうか,私たちはどのようにして決めているのだろうか? 脳で作られるオキシトシンという神経伝達物質が信頼を築くうえで重要な働 … 続きを読む
ドーピングはなぜなくならないのか
7月5日,ツール・ド・フランスが開幕する。9人編成のチームで距離3500km,高低差2000m以上を3週間で走り抜ける,世界最大の自転車レースだ。その超人的な走りには誰もが目を見張る。だが,昨年のレースでは途中トップの … 続きを読む
お金を考えただけで…〜日経サイエンス2007年5月号より
お金は一生懸命働くための励みになるが,自分勝手な行動を助長することにもなる。これ自体は驚くにあたらないが,ミネソタ大学の心理学者たちは最近,人は金銭のことを考えるだけで協調性を失うことを発見した。 &nb … 続きを読む
カテゴリ 2007年5月号, SCOPE & ADVANCE
気前のよい脳〜日経サイエンス2007年2月号より
「最後通牒ゲーム」では2人に一定の金額が提示され,1人が配分案を提案してもう1人が承諾すると,各自が配分案どおりの分け前をもらえる。合意しなかった場合は,2人とも1円も手に入らない。利己的な衝動と,公平という社会規範の … 続きを読む
カテゴリ 2007年2月号, SCOPE & ADVANCE
手を洗って罪を洗い流す〜日経サイエンス2007年1月号より
マクベス夫人はダンカンを殺した後で,必死に血痕を洗い流そうとした。ノースウェスタン大学の科学者たちがこの「マクベス効果」を実験で調べ,人間は自分の罪を無意識のうちに洗い流そうとすることを発見した。 被験 … 続きを読む
カテゴリ 2007年1月号, SCOPE & ADVANCE
チェス名人に隠された才能の秘密
その道の達人たちは,たぐいまれな能力をどうやって身につけるのだろうか。持って生まれ才能と集中的なトレーニング,そのどちらがより重要なのだろうか? 心理学者たちはチェスプレイヤーを対象にした研究にその答え … 続きを読む
お祈りは処方外〜日経サイエンス2006年8月号より
自分自身の励ましにするのはよいが… 第三者が患者の回復を祈ると,何らかの効果があるだろうか?調査の結果,神頼みの効力を示す証拠は得られなかった。むしろ,患者を悲観的にする悪影響がありそうだ。American … 続きを読む
カテゴリ SCOPE & ADVANCE
いじめで遺伝子発現が変化〜日経サイエンス2006年6月号より
いじめの恐怖の根底にある遺伝子が齧歯(げっし)類で見つかった。大きなマウスからいつも脅かされているマウスは孤独になり,よりおとなしいマウスまで恐れるようになる。いじめられることによって,いわゆる「中脳辺縁系ドーパミン経 … 続きを読む
カテゴリ 2006年6月号, SCOPE & ADVANCE
フェアプレーの経済学
あなたに100ドルを提供しよう。ただし,別のもう1人とこの100ドルを分け合わなくてはならない。厳しい規則があって,あなたたち2人は別々の部屋にいて情報交換はできないし,互いに相手が誰であるかもわからない。コイン投げを … 続きを読む