タグ : 心理学

オープンオフィスに死角あり

1967年,化学メーカーのデュポンはオフィスビルのワンフロアの内壁を取り払い,低いパーティションで区切られただけの大部屋にほぼ全員を押し込んだ。このフロアは企業がオープンオフィスを大規模に取り入れた米国初の例であり,ドイ … 続きを読む

カテゴリ 2023年7月号, 記事

ガスライティング 相手の現実認識をゆがめる虐待

チャンドラ(仮名)の12年間の結婚生活を通して,夫の浮気は常態化していた。彼女がその証拠を見せると夫から,お前は「頭がおかしい」「嫉妬深い」「被害妄想だ」と言われたという。彼はよく「理性的でない」という言葉を使ったが,こ … 続きを読む

カテゴリ 2023年6月号, 記事

コロナ禍で増えた心の病 モラルインジャリー

「モラルインジャリー(道徳的負傷)」とは良心に大きく反する状況や,自身の核となる価値観を脅かす状況に直面したときに生じる特別なトラウマを指す。この問題に苦しむ人々は,罪悪感や怒り,そして自分自身や他者を許せないという痛切 … 続きを読む

カテゴリ 2023年4月号, 記事

子に引き継がれる心の傷

2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センタービルが恐怖と煙の中で崩壊した後,地元のマウントサイナイ医科大学の医師らは,この地域の有害物質を浴びた人々に検査を実施した。受診者の中には187人の妊婦がいた。その多くは … 続きを読む

カテゴリ 2023年4月号, 記事

天才のようにまどろめ エジソンに学ぶ半覚醒状態のひらめき

エジソン(Thomas Edison)が眠りを嫌ったことはよく知られている。電球の生みの親として万人に知られるこのエネルギッシュな発明家は,1889年の本誌SCIENTIFIC AMERICANに掲載されたインタビュー記 … 続きを読む

カテゴリ 2022年8月号, 記事

アメリカ黒人社会の強靭さ

全世界がパンデミックや気候変動がもたらす災害に見舞われている今,ソーシャルキャピタルという概念の重要性が高まっている。ソーシャルキャピタルとは,互いを信頼して積極的に人間関係やネットワークを構築して社会の問題を解決し,生 … 続きを読む

カテゴリ 2022年8月号, 記事

境界性パーソナリティ障害に潜むトラウマ

私がアン(仮名)に会ったのはドイツ南西部の中規模都市マンハイムにある中央精神衛生研究所(ドイツ名の略称でZI)だった。施設は格子状に区切られた同市中心部の数ブロックにまたがる。アンはここで「複雑性PTSD(心的外傷後スト … 続きを読む

カテゴリ 2022年7月号, 記事

読み聞かせの癒やし効果〜日経サイエンス2022年2月号より

入院中の子供の痛みとストレスを和らげる   子供に物語を読み聞かせると落ち着いておとなしくなる。この魔法のような効果は昔から親や教師,保育士の間で折り紙付きだ。最近,小児集中治療室で治療にあたっている研究者グル … 続きを読む

カテゴリ 2021年2月号, SCOPE & ADVANCE

シンクロすると心がつながる 同期運動の科学

突進してくる車にひかれそうになっているマーチングバンドの仲間を救うためなら,自分は迷わず身を投げ出すだろう――マークス(Steve Marx)はそう語る。 戦友についてこの種の表現を耳にすることはよくあるが,彼はペンシル … 続きを読む

カテゴリ 2021年6月号, 記事

強まるストレスにどう対処するか

COVID-19パンデミックは市民に前例のないストレスを強いている。米国では不安症やうつ病の症状を示す人が急増した。パンデミック終息の時期が見通せないなか,精神の健康をどうすれば守れるのか? 災害心理学などが示すストレス … 続きを読む

カテゴリ 2021年4月号, 記事

世界規模のトラウマ 克服への処方箋を探る

 COVID-19のパンデミックは,世界中の人々の生活を一変させた。一時は世界人口の1/3が行動制限下に置かれ,人々は今も感染への不安,愛する人の死,失業、社会的つながりの喪失など多岐にわたるストレスに直面している。   … 続きを読む

カテゴリ 2020年8月号, 記事

AIボットへの信頼〜日経サイエンス2020年4月号より

人間は機械をなかなか信用しない   電話によるレストラン予約申し込みを受け付けるAI(人工知能)の合成音声や,消費者の質問にオンラインで応答するチャットボット(自動会話プログラム)など,人間を装うAI製品は着実 … 続きを読む

カテゴリ 2020年4月号, SCOPE & ADVANCE

スマホ利用と心の健康

スマートフォンによるソーシャルメディアの利用が若者を害するという不安が高まっているが,実際にはそれほど心配はない。使用状況を詳しく調べた研究から,若い利用者の大半は心の健康が良好であることがわかった。使いすぎは問題を招く … 続きを読む

カテゴリ 2020年4月号, 記事

睡眠中にひらめき誘導〜日経サイエンス2020年3月号より

問題の記憶を睡眠中に活性化すると解決につながるかも   問題が解けずに行き詰まったら,考えるのをやめるのが一番よい場合がある。といっても,意識的に中断して休むという意味だ。休憩や短時間の昼寝をすると,脳が解決法 … 続きを読む

カテゴリ 2020年3月号, SCOPE & ADVANCE

過剰な心配,過小な心配 リスク判断の心理学

私たちは日常生活で直面しているリスクをどれくらい正確に理解しているのだろうか。 人々に溺死や肺気腫,殺人などによる年間の死者数を見積もってもらった調査によると,私たちは殺人や竜巻などの人目を引く,あるいはよく報道される死 … 続きを読む

カテゴリ 2019年12月号, 記事