タグ : 天文遺産

日ソ共同の衛星追跡で活躍 AFUカメラ

 国立天文台三鷹キャンパス,退役したカマボコ形の天文ドームを転用した天文機器資料館には明治時代まで遡る歴史的な望遠鏡や観測装置がところ狭しと並べられている(現在はコロナ下で閉館中)。その中で異彩を放っているのが,大きなU … 続きを読む

カテゴリ 2021年6月号, 記事

スプートニクとエクスプローラーを追跡したベーカー=ナン カメラ

 東西冷戦中の1957年10月,ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げた。米国はソ連に先駆けて打ち上げ計画を公表し,「ベーカー=ナン カメラ」という新型望遠鏡を日本など世界12カ所に設置して衛星を追跡する準 … 続きを読む

カテゴリ 2021年5月号, 記事

五島プラネタリウム カール・ツァイスⅣ型投影機(下)

 「天文学の啓蒙にとどまらず,天文学を志す若き者を育て,その裾野を大きく広げた」「全国のプラネタリウム館の指導的立場で活動し,日本のプラネタリウム界に多大な影響を与えた」日本天文学会と日本プラネタリウム協会は2000年秋 … 続きを読む

カテゴリ 2021年2月号, 記事

五島プラネタリウム カール・ツァイスⅣ型投影機(上)

 かつて東京の渋谷駅前に日本を代表するプラネタリウムがあった。五島プラネタリウムだ。今はなき東急文化会館の屋上にあった銀色に輝くプラネタリウムドームはハチ公の銅像と並ぶ渋谷のシンボルだった。開館は史上初の人工衛星「スプー … 続きを読む

カテゴリ 2020年10月号, 記事

緯度観測所本館

 大正から昭和初期に活躍した岩手県生まれの作家,宮沢賢治の小説「風の又三郎」の先駆的作品「風野又三郎」では風の精,又三郎が同県水沢の臨時緯度観測所に立ち寄る。賢治自身も何度も訪ねたようだ。明治時代にできた同観測所は星の日 … 続きを読む

カテゴリ 2020年4月号, 記事

臨時緯度観測所本館と眼視天頂儀(下)

岩手県奥州市水沢にはZホール(文化会館)とZアリーナ(総合体育館)という愛称の公共施設がある。コミュニティバスの愛称はZバス,青少年が対象の宇宙少年団の支部名は水沢Z分団だ。Zを校章にあしらった小学校と工業高校もある。Z … 続きを読む

カテゴリ 2020年2月号, 記事

臨時緯度観測所本館と眼視天頂儀(上)

岩手県の北上盆地にある奥州市水沢は明治時代から天文台の街として知られる。近代日本が威信をかけて取り組んだ初の国際的な天文観測事業が行われた地だ。北緯39度8分の線上に並ぶ形でユーラシア大陸と北米大陸に6つの天文台を建設, … 続きを読む

カテゴリ 2020年1月号, 記事

野辺山ミリ波干渉計

 八ヶ岳山麓に広がる国立天文台野辺山キャンパスには,その前身の東京大学東京天文台時代に建設された2つの電波望遠鏡がある。1つは1982年に稼働,今も現役の口径45m望遠鏡。波長数mmの「ミリ波」を観測する単一アンテナの望 … 続きを読む

カテゴリ 2019年9月号, 記事

名大空電研1.5m太陽電波望遠鏡

東京大学東京天文台は明治から昭和にかけて日本の天文学をリード,現在の国立天文台の母体となっている。ただ第二次世界大戦直後に始まった電波天文学,特に太陽の電波天文学にはもう1つ源流がある。今はなき名古屋大学空電研究所,略称 … 続きを読む

カテゴリ 2019年6月号, 記事

6mミリ波望遠鏡

電波天文学は第二次世界大戦後に大発展した。1940年代後半の揺籃期,敗戦で荒廃した日本でも太陽の電波観測が始まった。だが,遠くの恒星や星雲からの微弱な宇宙電波の観測は,国力の違いがあり,欧米に約20年遅れで本格参入するこ … 続きを読む

カテゴリ 2019年5月号, 記事

電波望遠鏡 第1号

 八ヶ岳連峰を望む国立天文台の野辺山宇宙電波観測所。高原に点在する大小のパラボラアンテナの中に,棒状の金属部材で組み上げたモニュメントのような構造物が置かれている。その正体は終戦直後,日本の電波天文学の曙の時代に活躍した … 続きを読む

カテゴリ 2019年4月号, 記事

写真天頂筒

国立天文台三鷹キャンパスの奥まった場所に,退役したカマボコ形の天文ドームがあり,歴史的な望遠鏡などを集めた資料館になっている。その一画に「写真天頂筒」というかなり変わった望遠鏡が現役時をほうふつとさせる姿で安置されている … 続きを読む

カテゴリ 2019年3月号, 記事

東京天文台1号官舎

『八甲田山死の彷徨』『孤高の人』などの山岳小説で知られる新田次郎は昭和30年代半ば,東京天文台(国立天文台の前身)の天文学者をモデルとした恋愛小説を書いた。ヒロインが「ロビンフッドでも出て来そうな森」と評した三鷹の天文台 … 続きを読む

カテゴリ 2018年11月号, 記事

リーフラー時計

 国立天文台には身の丈ほどもある古風な振り子時計が3台,役目を終え眠りについている。ドイツのリーフラー社が製造したので「リーフラー時計」という。かつては,この時計の針の動きが日本の時刻のおおもと(日本標準時)だった。明治 … 続きを読む

カテゴリ 2018年9月号, 記事

三鷹国際報時所の門柱

 国立天文台の三鷹キャンパスは面積が約26万m2と東京ドーム6個弱ほどの広さがある。前身となる東京大学東京天文台の敷地を受け継いでいるが,終戦直後まで,敷地の半分近くは「三鷹国際報時所」という別組織が使っていた。世界各地 … 続きを読む

カテゴリ 2018年7月号, 記事