タグ : 地質学

氷河のささやき〜日経サイエンス2022年4月号より

人間には聞こえない超低周波音で氷河崩壊を検出・監視   2017年,スイスアルプスのアイガーで氷河が崩壊し,小型飛行船ほどの大きさの氷の塊が崩れ落ちた。その際に生じたとどろきの一部は,周波数が低すぎて人間の耳に … 続きを読む

カテゴリ 2022年4月号, SCOPE & ADVANCE

見えてきた大絶滅の原因 太古の地層からの警告

複雑な生命が誕生してから5億年の歴史のなかで,地球上のほぼすべての生物種が消滅した大規模な大量絶滅が5回あった。恐竜の時代を終わらせた白亜紀末の大量絶滅は小惑星衝突が主因であることはよく知られている。だが,2億5200万 … 続きを読む

カテゴリ 2021年1月号, 記事

遠く離れたマグマ溜まり〜日経サイエンス2020年12月号より

火山の1/3は地下のマグマ溜まりの位置が山体から何kmもずれているようだ 火山のマグマが,火口から驚くほど遠く離れた地下の場所に潜んでいる例が新たな研究で示された。これは火山の山腹に設置した計器ではマグマの動きをとらえら … 続きを読む

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赤色の研究〜日経サイエンス2020年10月号より

有機物に富む赤い石筍は過去の環境を記録している   スペイン北部ビルバオにあるカラフルで有名な建築からそう遠くないところに,鮮やかな色彩を誇る地下世界がある。ゴイコエチェ洞窟の石筍と鍾乳石は通常の白色だけではな … 続きを読む

カテゴリ 2020年10月号, SCOPE & ADVANCE

プレートの裂け目から生まれた大地 シャツキー海台

2015年10月中旬,海洋調査船ファルコーのデッキにある科学調査室で,私は太平洋の巨大な海底火山「タム山塊」の周囲の海底を描いた地図に記された,ほぼ平行に並ぶ縞模様を眺めていた。それは海底に,岩石の磁化が互いに逆向きにな … 続きを読む

カテゴリ 2020年9月号, 記事

海底探査が明かす太古のドラマ

2009年9月,私は横浜港から出発した米国の深海掘削船ジョイデス・レゾリューションに乗り込み,日本から約1500kmの東方沖へと向かっていた。総勢32人の国際研究チームで,太平洋の深海底から突き出した広大な台地「シャツキ … 続きを読む

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ラグナ・デル・マウレ 超巨大火山覚醒の仕組み

超巨大火山(スーパーボルケーノ)は内部に途方もない破壊力を蓄積しており,大陸の形を変えるほどの大噴火を起こす場合がある。人類がその種の大噴火を目にしたことはまだないが,南米アンデスの高地ラグナ・デル・マウレで火山系が発達 … 続きを読む

カテゴリ 2020年6月号, 記事

77万年前の地球を探る

「地球史にチバニアン」。――2020年1月17日,国際地質科学連合は77万4000年前~12万9000年前の地質時代名を日本の千葉にちなんだ「チバニアン」にすることを最終決定。日本の地質学が改めて世界に認められた喜ばしい … 続きを読む

カテゴリ 2020年4月号, 記事

サハラ砂漠の誕生日〜日経サイエンス2020年1月号より

アフリカ西岸の島の堆積物から推定値が絞り込まれた   サハラ砂漠は世界最大にして最も有名な亜熱帯砂漠だが,驚くほど限られたことしかわかっていない。その形成時期に関する推定でさえ,500万年以上前からわずか数千年 … 続きを読む

カテゴリ 2020年1月号, SCOPE & ADVANCE

北極海争奪戦

北極海の海底について沿岸各国が権利を主張している。先行したのはノルウェーで,北極海海底の3区画に関するデータを2006年に大陸棚限界委員会(CLCS)に提出した。同委員会はこうした権利請求が科学的に適切かどうかを審査する … 続きを読む

カテゴリ 2019年11月号, 記事

大気中ラドンが示す地下の異変

東日本大震災や阪神・淡路大震災をもたらした大地震では,その1カ月以上前から周辺地域で大気中のラドン濃度が異常な変動を示していた。そうした変動は地下に微細な割れ目が多数生じるなど,大地震に先行して起こる地殻変動が原因と考え … 続きを読む

カテゴリ 2019年2月号, 記事

北海道胆振東部・大阪北部地震が示すシナリオ

それほど遠くない将来,西日本沖合の南海トラフ付近と,北海道沖合の千島海溝付近で巨大地震が発生する可能性が高い。 一方,西日本の内陸では2018年の4月に島根県西部地震,6月に大阪北部地震,北海道では9月に胆振東部地震が起 … 続きを読む

カテゴリ 2019年2月号, 記事

「チバニアン」認定へ前進〜日経サイエンス2018年9月号より

千葉県市原市の地層,年内にも天然記念物に指定へ   地磁気が約77万年前に逆転した痕跡を残す千葉県市原市田淵の地層について,国の文化審議会は6月15日,天然記念物に指定し保護を図るよう林芳正・文部科学相に答申し … 続きを読む

カテゴリ 2018年9月号, SCOPE & ADVANCE

米国北東部の地下で…〜日経サイエンス2018年6月号より

2億年も地質活動がなかった地域で高温の岩石が上昇中   過去2億年間,米国北東部ニューイングランド地方は激しい地質変化がない場所だった。火山活動も大地震もほとんどなかった。しかし現在は目覚めの一歩手前なのかもし … 続きを読む

カテゴリ 2018年6月号, SCOPE & ADVANCE

大噴火は予測できるか 地下構造から探るシナリオ

1980年に予想以上の大噴火を起こし,57人の犠牲者を出した米セントへレンズ山。その地下で何が起きているのか,明らかにする試みが進んでいる。人工地震の伝わり方や地下に流れる電流の測定,噴出した溶岩の分析など,あらゆる手段 … 続きを読む

カテゴリ 2018年3月号, 記事