タグ : 医療

長期保存の移植臓器をうまく解凍〜日経サイエンス2023年12月号より

金属微粒子と交代磁場で均一に加熱する 毎年,移植用に提供された多くの臓器が廃棄されている。臓器提供の連絡を受けた医師は適合するレシピエントを大急ぎで探すが,移植のスケジュールは時間単位で進み,多くの臓器が使えなくなる。最 … 続きを読む

カテゴリ 2023年12月号, SCOPE & ADVANCE

特集:ゲノム編集治療

DNAの中から目的の配列を探し出し,効率よく改変するゲノム編集。研究や育種で広く使われているこの技術が,いよいよ医療の現場に入ってきた。体細胞の遺伝子を改変してその機能を変え,病気を治す試みだ。狙った塩基をピンポイントで … 続きを読む

カテゴリ 2023年4月号, 記事

幻覚剤をPTSD治療に

2017年春,私は縁あってある学術会議に招かれた。最初は招待が何かの間違いに思えた。知り合いの知り合いによる紹介で詳細は不明だったが,興味をそそられたので,車と電車を乗り継いでダウンタウンのホテルに行った。そこの会議室を … 続きを読む

カテゴリ 2022年11月号, 記事

境界性パーソナリティ障害に潜むトラウマ

私がアン(仮名)に会ったのはドイツ南西部の中規模都市マンハイムにある中央精神衛生研究所(ドイツ名の略称でZI)だった。施設は格子状に区切られた同市中心部の数ブロックにまたがる。アンはここで「複雑性PTSD(心的外傷後スト … 続きを読む

カテゴリ 2022年7月号, 記事

ついに始まったmRNA医薬の時代

わずか17年で,mRNA(メッセンジャーRNA)医薬は概念実証の段階から世界を救うものへと発展を遂げた。ファイザー・ビオンテック製およびモデルナ製のCOVID-19ワクチンは,何億人もの人々に投与され,数え切れないほどの … 続きを読む

カテゴリ 2022年6月号, 記事

医師が陥る「減量」神話

 肥満は糖尿病などの慢性疾患につながる。このため医師は太った患者に減量を勧めるが,減量がむしろ害になることもある。単に体重に注目するのではなく,生活習慣やストレスなどの要因に目を向ける必要があるだろう。 特に,体重に対す … 続きを読む

カテゴリ 2021年5月号, 記事

パンデミック終息へのシナリオ

今回の新型コロナウイルスは,容易に感染すること,無症状から重体まで患者の病態が幅広いこと,世界を大混乱に陥れたことにおいて前例がない。しかしCOVID-19のパンデミックが今後どう展開し,どのように終息するのか,過去のア … 続きを読む

カテゴリ 2020年7月号, 記事

医療従事者が語るパンデミック最前線

最前線の医療従事者は今回のCOVID-19パンデミックの顔となった。重症患者の治療に立ち向かうその姿は人間性の最も素晴らしい部分の象徴であるとともに,米国の脆弱な医療制度と政府の混乱した対応による副次的なダメージを体現し … 続きを読む

カテゴリ 2020年7月号, 記事

医療現場を蝕む心の危機

現在のCOVID-19パンデミックのなか,医療従事者は次々に担ぎ込まれる重症患者を治療しているが,それだけではない。彼ら自身も感染リスクにさらされ,患者が相次いで死亡するのを目の当たりにしている。通常の治療手順が破綻,医 … 続きを読む

カテゴリ 2020年7月号, 記事

がん進化論にもとづく治療戦略

抗がん剤でがん細胞を徹底的に攻撃しても,薬の効かない細胞が生き残って再発し,むしろ悪化してしまう。このがんの進化を防ぐ新アプローチが登場した。抗がん剤の投与を最小限にとどめてあえてがん細胞を残し,耐性の進化を抑える。 再 … 続きを読む

カテゴリ 2020年5月号, 記事

卵子凍結ブームの死角

技術の進歩が卵子凍結ブームを後押ししている。卵子凍結によって妊娠を先延ばしできるとうたわれているが,卵子を凍結しても無事出産にこぎ着けられる保証はまだない。

カテゴリ 2019年11月号, 記事

子宮内膜症 ようやく始まった解明

子宮内膜症は本来なら子宮の内側にとどまっているはずの細胞がなぜか子宮以外の場所で増殖し,激痛や炎症をもたらす病気だ。約10%の女性がかかるとされるが,月経中の体調不良は軽視されがちで,見過ごされることも多い。痛みが始まっ … 続きを読む

カテゴリ 2019年1月号, 記事

バイオフィルムを退治する

細菌の集団はゼリー状の「バイオフィルム」を形成して自分たちを包み,身を守っている。排水管についたヌメリなどがバイオフィルムの例だが,体内や医療器具にバイオフィルムができてしまうと抗菌薬が効かなくなり,慢性感染症を起こす原 … 続きを読む

カテゴリ 2018年3月号, 記事

大規模調査で見えたカギ 生活習慣でリスク低減

適切な食事,定期的な運動,高等教育など,認知症の発症リスクを下げるとみられている要因はいくつもある。だがこれまで,個々の要因が発症リスクを低減させることを直接示す証拠はなかった。2010年,米国立衛生研究所(NIH)の専 … 続きを読む

カテゴリ 2017年8月号, 記事

難病と戦う細菌ロボット

遺伝子の異常のため,ある酵素ができずに高タンパク質食品に含まれる窒素をうまく代謝できない「尿素サイクル異常症」という病気がある。通常なら尿素として排出される窒素がアンモニアとなって血液中に蓄積し,重い症状を引き起こす。そ … 続きを読む

カテゴリ 2017年7月号, 記事