タグ : 医学
ゲノム解読から医療へ 進まない革命
10年前は,専門家もそうでない人も,30億ドルをかけたヒトゲノム計画によって医学が変わると楽観的に考え,大いに盛り上がっていた。2000年の夏に当時のクリントン大統領はホワイトハウスのセレモニーで,ヒトの「生命の書」で … 続きを読む
病理診断デジタル時代
病理組織試料を検査するやり方は100年以上も相変わらずだ。遅ればせながら,旧態依然の病理学をリメイクする試みが始まった。 現在,毎年何億枚もの病理スライドが作成され,昔ながらのやり方で扱われている。組織 … 続きを読む
がんゲノム変異を公開〜日経サイエンス2010年7月号より
国際がんゲノムコンソーシアムの日本の分担成果 日本や米,英,仏,独,中国,豪,スペインなどが参加している「国際がんゲノムコンソーシアム」は,肝臓がん,乳がん,膵臓がんで生じているゲノムの変異を解読し,4月 … 続きを読む
カテゴリ 2010年7月号, SCOPE & ADVANCE
救命毒ガス 硫化水素
温泉や火山の噴火口近くに漂う“卵の腐ったような臭い”。これが硫化水素だ。温泉好きの日本人には比較的,なじみのある臭いだが,命にかかわる毒ガスだ。人間の鼻はわずか0.0047ppm(1ppmは100万分の1)の硫化水素を感 … 続きを読む
変異コレステロールが認知症を防ぐ〜日経サイエンス2010年5月号より
コレステロールというと心血管障害との結びつきを連想するが,この脂質が脳の健康に非常に重要であることを示す証拠が増えてきた。なにしろ,体内のコレステロールの1/4が脳にある。最近の研究で,コレステロール粒子の大きさを決め … 続きを読む
カテゴリ 2010年5月号, SCOPE & ADVANCE
10億人を苦しめる 忘れられた熱帯病
貧困国で蔓延している病気と聞いて私たちが思い浮かべるのは,エイズやマラリアかもしれない。だが実際には,寄生虫や細菌を原因とする感染症が甚大な被害を及ぼしている。これらは「顧みられない熱帯病(NTD)」と呼ばれ,2000年 … 続きを読む
脳が生み出す理不尽な痛み/慢性疼痛治療の新戦略
ケガや手術の傷がすっかり癒えた後も,激烈な痛みが続く。何カ月,何年たっても消えない──そんなつらい状況に陥っている人は少なくない。原因がなくなっているにもかかわらず痛みが消えないのは,身体の損傷を検知して脳に伝える痛覚 … 続きを読む
骨粗鬆症と糖尿病の意外な関係〜日経サイエンス2009年10月号より
密接な関連を示すデータが続出 骨がスカスカになって折れやすくなる──おそらくこれが骨粗鬆症の一般的なイメージだろう。だが,このイメージは「正しいが完璧ではない」と帝京大学ちば総合医療センター第3内科の岡崎 … 続きを読む
カテゴリ 2009年10月号, SCOPE & ADVANCE
ダウン症が示すがん治療のヒント〜日経サイエンス2009年10月号より
ダウン症患者はめったにがんにならない。長年の謎なのだが,もしかすると抗がん遺伝子の数が通常よりも多いためではないかと考えられてきた。ダウン症は21番染色体が1本多いために起こる病気だからだ。 21番染色体には231個の … 続きを読む
カテゴリ 2009年10月号, SCOPE & ADVANCE
がん化のプログラム〜日経サイエンス2009年8月号より
通常は胎児の発生段階だけで働く遺伝子が,がん細胞では再び活性化している がんは単一の病気ではなく多数の病気が集まったものだ,という見方がある。個々のがん細胞がそれぞれ異なる機能不全に陥っているように見える … 続きを読む
カテゴリ 2009年8月号, SCOPE & ADVANCE
HIVを退治するには
エイズは,HIVに感染すればいずれは発病して死に至る「死の病」から,根治はしないが生命を奪われるとは限らない「不治の病」になった,といわれる。だがそれは先進国の話で,HIV感染者の大多数を占めるアフリカなど途上国の貧し … 続きを読む
激痛の原因を探る 片頭痛の新薬を目指して
片頭痛は世界で3億人を悩ませる慢性疾患だ。1997年に日本で行われた頭痛に関する大規模な疫学調査(対象約4万人)では,日本人の8.4%が片頭痛患者と推定される。月に1~2回の頻度で激しい痛みに襲われる人が多いが,頭痛が … 続きを読む
熱ショックタンパク質をがんワクチンに
新しく合成されたタンパク質がきちんとした立体構造をとるのを手助けしたり,ふさわしい場所に連れて行ったり──熱ショックタンパク質は細胞が高温にさらされたときに,とくに活発になるためにこの名がついたが,普段でも忙しく働いて … 続きを読む