タグ : 共生

微生物の意外な協力関係

 協力し合う微生物の存在は何十年も前から知られていたものの,微生物は資源をめぐって互いに競い合っているというのが長年にわたって一般的な考え方だった。だが,微生物に関して新たに得られた大量のデータから,微生物種の多くが実際 … 続きを読む

カテゴリ 2019年3月号, 記事

地衣類に見る共生の姿

高度な観測・分析機器を駆使する現代の科学は自然の謎に肉薄する半面,専門化が進み,生の自然を観察して思索する余裕を失っている面がある。カナダに住む独学の博物学者トレバー・ガワードは学位こそ持っていないが,自然を綿密に観察す … 続きを読む

カテゴリ 2017年10月号, 記事

知られざるトリュフの世界

 人類とトリュフの関係は古くより知られ,エジプトのクフ王の食卓にも上ったと伝えられる。アラビアの遊牧民ベドウィン族,カラハリ砂漠のブッシュマン,オーストラリアの先住民アボリジニ──彼らは皆,先祖代々ずっとトリュフを採って … 続きを読む

カテゴリ 2010年7月号, 記事

細菌によって変わる虫たち

 ミクロネシアのある島では,ある種のチョウの90%以上がメスだ。実は皆,ボルバキアという細菌に感染している。この細菌に感染すると,オスの卵はみな死んでしまい,メスだけが生き残るので,個体のほとんどがメスになってしまうのだ … 続きを読む

カテゴリ 2010年6月号, 記事

クジラが育む深海の奇妙な生物

深海底に沈んだクジラの死骸はヌタウナギ類や深海ザメ,エビやカニに食べられる。しかし骨ばかりになっても,その骨を間接的に栄養源とする各種の貝やゴカイなどが集まり,「鯨骨生物群集」が形成される。   鯨骨生物群集の … 続きを読む

カテゴリ 2010年5月号, 記事

鯨骨生物群集は進化の“飛び石”?

日本近海にはクジラが数多く回遊しており,クジラが死ぬと海底に沈むので,クジラの骨(鯨骨)をベースとした「鯨骨生物群集」が日本周辺の海底に多数存在している可能性が高い。世界で最初に鯨骨生物群集が見つかったのは米カリフォルニ … 続きを読む

カテゴリ 2010年5月号, 記事

ピロリ菌の意外な効用

 ピロリ菌(Helicobacter pylori)は古くからヒトときわめて密接な関係を築いてきた生物だが,その存在が認められるまでには1世紀以上もの年月を要した。1875年にはすでにドイツの解剖学者が,らせん状の細菌が … 続きを読む

カテゴリ 2005年5月号, 記事

脳をあやつる虫

 私たちは少し謙虚になったほうがよさそうだ。ある種の微生物は動物の脳に寄生し,神経回路を巧妙に操っている。人間にはとても真似できないやり方で……。    細菌や原生動物,ウイルスは私たちの細胞を乗っ取り,私たち … 続きを読む

カテゴリ 2003年6月号, 記事

細菌が操る性転換

 飼い主の手を噛むな──この言葉は,寄生微生物がその身を寄せて餌食とする「宿主」とのつき合い方をうまく表現している。寄生体には宿主の繁殖に便乗して子の世代へと感染を広げるものが少なくない。このような居候(いそうろう)タイ … 続きを読む

カテゴリ 2002年7月号, 記事