タグ : タンパク質

タンパク質工学の新潮流 ワクチンや抗体医薬を自由に設計する

 2020年4月のある金曜日の夜遅く,ウォールズ(Lexi Walls)はワシントン大学(シアトル)の研究室にひとり居残り,これまでの人生で最も重要な実験の結果を落ち着かない気持ちで待っていた。コロナウイルスが専門のこの … 続きを読む

カテゴリ 2021年12月号, 記事

1000兆分の1秒の反応を見る 連続フェムト秒結晶構造解析

タンパク質の分子は細胞のなかで常に動きながら,生命活動に必要な化学反応を実行している。これらの動きは非常に小さなスケールでしかも高速に進むので,顕微鏡では見ることができない。だが,持続時間わずか1000兆分の1秒のパルス … 続きを読む

カテゴリ 2017年8月号, 記事

火星生命を探すには

キュリオシティなど最新の探査機は火星にかつて水が流れていた証拠をつかんだが,撮影された画像はやはり荒涼とした世界で,生物の影は見られない。1970年代のバイキング1号と2号も生命の証拠を発見できなかった。火星に生命は存在 … 続きを読む

カテゴリ 2014年9月号, 記事

認知症のタネをまくタンパク質

 タンパク質は組成が同じでも,その形状が異なるものがある。狂牛病などの感染症は,異常な形をしたプリオンタンパク質が,正常なプリオンタンパク質を異常な形に変えることによって起こる。ノーベル賞の対象となった発見だ。これと同様 … 続きを読む

カテゴリ 2014年1月号, 記事

右手型アミノ酸

 タンパク質を構成しているアミノ酸は20種ほどあり,ほとんどには光学異性体(鏡像異性体)が存在する。生物が作り出しているのはそのうち「左手型」で,例外は細菌が作っているアミノ酸くらい──というのが長年の“常識”だったが, … 続きを読む

カテゴリ 2013年9月号, 記事

細胞センサーとなるタンパク質解明

 光を感じて瞳孔を閉じる,花のいい匂いを感じてうっとりするなど,私たちの身体は絶えず,外界からの情報を捉えて反応している。その最初の一歩となるのが,細胞のセンサーとなる膜タンパク質だ。2012年のノーベル化学賞はそうした … 続きを読む

カテゴリ 2012年12月号, 記事

しなやかなタンパク質

 タンパク質は種類の異なるアミノ酸がいくつもつながってできた大きな分子で,その鎖が特定の形に折りたたまれている,と考えられてきた。実際,タンパク質分子の形(立体構造)が崩れると,機能を果たさなくなる場合が多い。ところが近 … 続きを読む

カテゴリ 2011年7月号, 記事

血の通った化石

 古代の化石は硬い鉱物の塊で,かつてその動物を作っていた細胞やタンパク質などは,長い年月のあいだに分解してなくなっていると言われていた。ところがこの定説を覆して,数千万年前の恐竜化石から血管や爪の一部などが見つかった。 … 続きを読む

カテゴリ 2011年3月号, 記事

熱ショックタンパク質をがんワクチンに

 新しく合成されたタンパク質がきちんとした立体構造をとるのを手助けしたり,ふさわしい場所に連れて行ったり──熱ショックタンパク質は細胞が高温にさらされたときに,とくに活発になるためにこの名がついたが,普段でも忙しく働いて … 続きを読む

カテゴリ 2008年11月号, 記事

質量分析は縁の下の力持ち 「もっと世の中の役に立ちたい」

 「失敗を失敗とも思わずにやってきたことが,本当に運よく新しい発見につながった」——。2002年のノーベル化学賞を受賞した島津製作所フェローの田中耕一氏は,思いのほか早口でこう話す。子どもの頃に味わったモノづくりの面白さ … 続きを読む

カテゴリ 2003年2月号, 記事

タンパク質分子の姿をあぶりだす新手法

 ヒトゲノム計画で得られたDNA塩基配列から,遺伝子が探し出され,その遺伝情報から,タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の配列がわかる。しかし,タンパク質の多くは,まだ機能がわかっていない。ゲノム解読後の次の課題はタン … 続きを読む

カテゴリ 2002年1月号, 記事