タグ : ひも理論

時空の終端 ファイアウォール

 ブラックホールから粒子が漏れ出すというホーキングの発見は,物理学の理解に残るギャップを露呈した。この「ホーキング放射」はブラックホール内部で情報が破壊されることを意味するように思える。しかし,量子力学は情報の消失を禁じ … 続きを読む

カテゴリ 2015年7月号, 記事

ひも理論で語る物質の科学

極低温になると物質は不思議な振る舞いを見せ始める。電気抵抗がゼロになって電流が永遠に流れ続ける超電導や,コップに入れた液体が自然に壁をはい上がって外に流出してしまう超流動だが,近年,こうした現象が起きたり消えたりする際に … 続きを読む

カテゴリ 2013年4月号, 記事

ホログラフィック宇宙を検証する

 物質を細かく刻んでいくと分子,原子,素粒子と次第に小さくなって,今のところ基本粒子(電子やクォークなど)はそれ以上分割できないと考えられている。もしかしたら時空そのものも,細かく刻んでいくと,それ以上は分割不可能な単位 … 続きを読む

カテゴリ 2012年5月号, 記事

反逆児サスキンドに聞く 物理で実在は語れるか?

 スタンフォード大学のサスキンド博士は「ひも理論」のパイオニアで,その研究のなかでマルチバースの概念に行き着いた。だが,この世界を数学的に可能な唯一の世界として説明するという物理学者の夢はかなわないという。実在を述べる方 … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

数学が世界を説明する理由

 アインシュタインは次のような疑問を持っていた。「経験とは独立した思考の産物である数学が,物理的実在である対象と,これほどうまく合致しうるのはなぜなのか?」 数学は人間が発明した道具なのか,それとも何かの抽象的世界に実在 … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

特集:実在とは何か?

 物質をどんどん細かく分けていくと分子や原子が立ち現れ,それらはさらに微細な基本粒子からなっている──私たちが当然のように受け入れている世界観だ。肉眼で原子や素粒子を見ることはできなくても,これらはリアリティーを備えた存 … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

マルチバースは実在するのか?

 宇宙は森羅万象を含む全存在で,唯一無二と考えられている。ユニバースはラテン語で「回転して一つになったもの」を意味する。「ユニ」は「一つ」を表す言葉だ。ところが1990年代,宇宙論研究者は「宇宙は私たちが存在する宇宙だけ … 続きを読む

カテゴリ 2011年12月号, 記事

統一理論の父 ワインバーグに聞く

 自然界のすべての力を統一する究極理論の構築は現代物理学の最終目標だが,この分野の研究でテキサス大学オースティン校のワインバーグは大きな貢献をした。1960年代,素粒子物理学の基本的な枠組みである「標準モデル」の柱となる … 続きを読む

カテゴリ 2011年2月号, 記事

宇宙の時間が終わるとき

 「時間」は行進曲のようなものだ。倦まずたゆまず,未来永劫,同じペースで刻み続ける──と,普通は考えられている。だがアインシュタインの相対性理論によれば,時間は気まぐれな即興曲だ。物体の状況や動きによって加速も減速もし, … 続きを読む

カテゴリ 2010年12月号, 記事

裸の特異点 もうひとつの“ブラックホール”

 大質量星が崩壊すると最終的にブラックホールになるというのが従来からの考え方だが,一部の理論モデルはブラックホールではなく「裸の特異点」が生じる可能性を示している。いったい何が起きるのかを整理することは,宇宙物理学の最も … 続きを読む

カテゴリ 2009年5月号, 記事

質量の起源に迫る

 質量は物質に備わった当たり前の性質のようだが,科学的に掘り下げて考えると謎だらけだ。そもそも素粒子の質量はどのようにして生じるのか。なぜ素粒子は固有の質量を持っているのだろうか?    理論的には,素粒子は宇 … 続きを読む

カテゴリ 2005年11月号, 記事

ビッグバンをめぐる6つの誤解

 ビッグバンとともに宇宙が誕生したとき,どこかで何かが爆発したのだろうか?そんな風に考える人が多いが,あいにく大間違いだ。そもそも宇宙が膨張するとは,いったい何を意味しているのだろう。    宇宙膨張は現代科学 … 続きを読む

カテゴリ 2005年6月号, 記事

特集:アインシュタイン 偉大なる遺産

 アインシュタイン(Albert Einstein)は20世紀の物理学の象徴として,いまも私たちの前にいる。彼の研究成果は人々の世界観を決定的に変えた。特殊相対性理論によって時間と空間の絶対性を完全に否定したほか,関係式 … 続きを読む

カテゴリ 2004年12月号, 記事

残された謎 宇宙定数の正体を追え

 宇宙の膨張が加速していることが近年になってわかり,長く忘れられていた「宇宙項(宇宙定数)」が物理学の世界に復活した。宇宙項はアインシュタイン(Albert Einstein)が導入し,後に否定したものだ。復活した宇宙項 … 続きを読む

カテゴリ 2004年12月号, 記事

進化した世界像 ひも理論が描く多重宇宙

 アインシュタインは後半生を,重力と電磁気力とを説明する統一理論の研究に捧げた。だが彼の試みは時代から先駆けすぎ,失敗に終わったとされる。アインシュタインの夢は後年の物理学者たちに引き継がれ,重力とそれ意外の力を統一的に … 続きを読む

カテゴリ 2004年12月号, 記事