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がんや難病 新たな治療戦略
mRNAワクチンは新型コロナウイルス感染症との戦い方を一変しただけでなく,「mRNA医薬」という医薬品の新たなジャンルを開いた。 mRNA(メッセンジャー RNA)とはDNAがタンパク質を作る過程で生じる中間生成物で … 続きを読む
ウイルスの“化石”ががんを抑える
人類はその進化の歴史の中で,何度もウイルスの攻撃を受けてきた。我々のDNAには,太古の昔に霊長類の祖先に感染した,ある種のウイルスの遺伝子配列の痕跡が刻まれており,これを「内在性レトロウイルス」(ERV)と呼ぶ。今はもう … 続きを読む
クジラががんにならないわけ 細胞の裏切りを検知する メカニズム
多細胞生物は細胞が協力し合うことで生きている。しかしがん細胞はその規律を破って自分勝手にふるまい,個体を死に追いやる。クジラやゾウなどの巨大動物は体を構成する細胞が多い分,がん化する細胞も多くなりそうだが,実際にはめっ … 続きを読む
がん進化論にもとづく治療戦略
抗がん剤でがん細胞を徹底的に攻撃しても,薬の効かない細胞が生き残って再発し,むしろ悪化してしまう。このがんの進化を防ぐ新アプローチが登場した。抗がん剤の投与を最小限にとどめてあえてがん細胞を残し,耐性の進化を抑える。 再 … 続きを読む
がん細胞の系統樹が明かした変異のシナリオ
がん細胞に遺伝子変異がしだいに蓄積し,あるところで転移能力を獲得していっそう悪性化する──という従来の線形モデルは誤りらしい。がん細胞の遺伝子変異を進化系統樹に表す新たな研究から,早い段階で生じた変異が,原発腫瘍と転移腫 … 続きを読む
CAR-T細胞でがんを攻撃
人間の身体には生来,がんを殺す免疫細胞「T細胞」が備わっている。樹状細胞からシグナルを受け取ると分裂して自分のコピーを増やし,サイトカインと呼ばれる化学物質を放出して身体の免疫応答を高めるのだ。1990年代半ば,ペンシル … 続きを読む
登場したCAR-T療法 実力と課題
患者の免疫機能を増強してがんを攻撃する免疫療法は,古くから様々に試みられてきた。だがその効果ははっきりせず,「効かない治療」の代名詞にもなってきた。だが近年,状況は一変した。きっかけは2014年7月に認可された「ニボルマ … 続きを読む
本庶 佑(京都大学名誉教授):免疫チェックポイント阻害剤に道
人間の体を守るべき免疫が,がん細胞にはどうして働かないのか。その謎を解き,がん細胞に対する免疫の働きを回復させる新たな治療薬が「免疫チェックポイント阻害剤」だ。この分野で先頭を走るのが本庶佑京都大学名誉教授(先端医療振興 … 続きを読む
坂口志文 (大阪大学特任教授):制御性T細胞を発見
自己免疫疾患は数多い。多発性硬化症やバセドウ病,Ⅰ型糖尿病など特定の臓器で発症するもののほか,関節リウマチや全身性強皮症など全身に症状が出る病気もある。いずれも本来,外敵だけを攻撃する生体防御の仕組みに異常が起き,自分の … 続きを読む
がん免疫療法2016 3つのアプローチ
免疫系の能力を増強し,がん細胞を攻撃して抑え続ける新世代の治療法が,過去5年間に目覚ましい成果を上げた。「免疫チェックポイント阻害剤」「樹状細胞ワクチン」「キメラ抗原受容体発現T細胞」という3つの新アプローチが実用化ない … 続きを読む
特集 ナノ医薬2015
DNA二重らせん分子の直径は2nmほどだ。いまやこうした極微の分子を操作して組み立てることが可能になり,新たな医薬と診断法につながりつつある。この特集では,ナノ医薬が現在何をもたらしているか,近い将来に何が可能になるか, … 続きを読む
細胞の運命を決める機械的な力
動物の細胞は周囲が空いていると増殖して隙間を埋め(だから傷が治る),過度に混み合っていると増殖をやめて特殊化したり死んだりする。周囲からの圧縮力や張力に応じて遺伝子のプログラムが切り替わるらしい。だが機械的な力が生体反応 … 続きを読む