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ゲノム編集食品に初認可〜日経サイエンス2021年5月号より

健康上の利点や収量増に期待

 

生物の遺伝情報を効率良く改変できるゲノム編集技術によって食卓が変わろうとしている。2020年12月11日にこの技術を使って品種改良されたトマトが「ゲノム編集食品」として国内で初めて流通が認められた。健康に優れた成分が多く含まれていたり,人口増加に対応するよう収穫量を高めたりした農作物が入手しやすくなると期待されている。

 

「これから世界的に食物の生産量を増やさないといけないし,体に良いものをつくらないといけない。このような課題の解決にゲノム編集は使える」。筑波大学発スタートアップのサナテックシード(東京・港)の最高技術責任者(CTO)を務める江面浩筑波大教授はこう話す。

 

厚生労働省は同日,筑波大と同社が開発した,血圧上昇を抑える働きがある物質「GABA(ギャバ)」を豊富に含むトマト「シシリアンルージュ・ハイギャバ」の安全性に問題がないと判断。同社による販売・流通の届け出を受理し,国内で初めてゲノム編集食品として認めた。同社はインターネットからの申し込みを通じて2021年春から家庭菜園の苗として提供を始める。2021年秋には生産者に種を本格的に販売する。2022年には手軽に手に入るようになる。

 

開発したトマトはゲノム編集技術の「クリスパー・キャス9」でGABAの量を制限する遺伝子の一部を壊して量を約5倍に増やした。「1日1~2個を食べ続けると,血圧の上昇を抑える効果が期待できる」(江面教授)。今後も,様々な機能を持つトマトを開発する方針だ。(続く)

 

続きは現在発売中の2021年5月号誌面でどうぞ。

 

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