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一緒にフェローフライ〜日経サイエンス2021年4月号より

渡り鳥のような近接飛行で省エネ


近いうちに,旅客機は渡り鳥のように縦一列に並んで飛ぶようになるかもしれない。1機のすぐ後ろにもう1機が続くことで,揚力を稼ぐのだ。欧州の航空機大手エアバスによると,「フェローフライ(fello’fly)」というこの飛行方式は後続の航空機の必要燃料量を1回のフライトにつき最大10%節減できる可能性がある。


フェローフライはカモなどの鳥がエネルギーを節約するために編隊飛行していることにヒントを得た。飛行中の航空機は鳥と同様に,翼が渦を生んで空気の乱れを後に残す(「後流」と呼ばれる)。この渦は外側に広がりながら旋回し,後流の周りに上昇気流を生み出す。後続の航空機が特定の距離を置いて後流の中心のすぐ横手を飛行すれば,この上昇気流によって揚力が加わる。


この押し上げのおかげで後続機はエンジンの推力を抑えることができ,燃料費と排出を削減できる。ただし飛行位置を慎重に調整する必要がある。後続機が先行機の真後ろに近づきすぎると,渦によって押し上げられるのではなく,むしろ押し下げられてしまう。また,機体間の距離を通常よりも大幅に狭める必要がある。洋上空域では55kmの間隔を維持するのが標準だが,これをわずか3kmに縮小しなければならない。




エアバスは昨夏,フェローフライの試験飛行を3回実施した。2機のA350型機が3kmの間隔を維持しながら4時間にわたってフランスの西の大西洋上空を飛んだ。「この結果,後流の上昇気流中で安定した自動操縦飛行が可能なことと,燃料をかなり節約できることが実証された」とエアバスのシニアエンジニアとしてプロジェクトを率いるマクドナルド(Nick Macdonald)はいう。


フェローフライは同時に同じ空域を飛行する異なる航空会社の航空機に適用することが意図されている。エアバスは最近,次の段階のテストに向けて2つの航空会社と契約を結んだ。今年の早いうちに試験飛行を行う予定だ。多くの国の航空管制当局も参加を予定している。(続く)




続きは現在発売中の2021年4月号誌面でどうぞ。

 

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