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オパールのなかに〜日経サイエンス2020年12月号より

昆虫が保存されている例が見つかった

FROM “ARTHROPOD ENTOMBMENT IN WEATHERING-FORMED OPAL: NEW HORIZONS FOR RECORDING LIFE IN ROCKS,” BY BORIS CHAUVIRÉ ET AL., IN SCIENTIFIC REPORTS,VOL. 10, ARTICLE NO. 10575; 2020. HTTPS://DOI.ORG/10.1038/S41598-020-67412-9

 

貴重な宝石の内部に捕捉された虫が,地球や火星の古生物を探索する新たな手がかりとなるかもしれない。インドネシアの岩石から取り出されたそのオパール(愛称「ビバリー」)には,若い小さなセミの外骨格が入っている。これがどのように形成されたのか,6月のScientific Reports誌に解説されている。

 

他のオパール化石は間欠泉の近くで形成されるシリカを含む岩石のなかに見つかってきたと,仏グルノーブル・アルプ大学の地質学者ショヴィレ(Boris Chauviré)はいう。熱水がそれらの岩石を溶かし,そうして生じたシリカを豊富に含む水が冷えると,固化してチラチラ光る宝石になることがある。ときにはそれらの宝石が,生物が腐敗した跡の空間を埋めたり,生物の体を捕捉したりする。

 

しかし今回の化石は火山岩の侵食によってできた土壌から出てきたもので,このようにして形成されたオパールの内部に動物が発見されたのは初めてだ。こうしたことが起こりうるということは,古生物を探す新たな場所があることを示しているとショヴィレはいう。

 

ゼオライトが保護膜に

この種のオパール形成過程は実は地熱プロセスよりも一般的なのだが,形成速度が遅いため,生命の痕跡を保存する可能性は低いと考えられていた。しかし研究チームは,この虫の外骨格がゼオライト(シリカを豊富に含む鉱物の一種)の層で覆われているのを発見した。解析の結果,虫が土に埋まってシリカを含む水にさらされている間にゼオライトが外骨格のうえで結晶化し,これによってその構造が保存され,その後に周囲の液体がオパールを形成したと考えられる。(続く)

 

続きは現在発売中の2020年12月号誌面でどうぞ。

 

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