中高生が学ぶ サイエンス講義

セコムがWebの安全講義 〜東海大高輪台生、情報管理学ぶ

 「安全・安心から見たWebサービスの今!」と題した特別講義が2019年11月、東海大学付属高輪台高等学校・中等部(東京都港区)で開かれた。セコムIS研究所(東京都三鷹市)の坂本一仁研究員がスマートフォンやパソコンで利用しているWebサービスの便利な仕組みや、知っておくべき危険性を解説。受講生は真剣な表情で聞き入っていた。

 Webサービスは概ね無料で利用できる。講義では坂本氏が受講生になぜ無料で利用できるのかと質問。坂本氏は無料で利用できるのは広告主が支払う広告料金で成り立っているためと説明した。

 Webサービスでは様々な広告がスマホやパソコンの画面に表れる。利用者がWebサイトを訪問するたびに、どんな利用者がどんなWebサイトを利用しているのかという“行動履歴”のデータが収集される。坂本氏は、そうしたデータから利用者の年齢や職業、利用者の関心事などが推測されて、利用者ごとに興味を抱きそうな広告が瞬時に配信されると説明した。また、“行動履歴”から利用者の特徴を明らかにするプロファイリングの精度は、AI(人工知能)の活用によって格段に向上していると語った。

個人データ利用について活発な議論 
 坂本氏は「Webサービスは、子供から高齢者まで使っています。様々な人の立場で物事を考えることができる多様な知識が必要です」とアドバイスした。

 講義では受講生が数人のグループに分かれて個人データの利用とプライバシーを議論して発表した。「自分に関するどんなデータならWebサービスに提供してもよいと考えますか」という設問について、あるグループは「Webサービスを通じて買い物をしたときのデータは提供してもよい」と回答。「プライバシーの配慮についてどのようなことを期待するか」に対しては、暗号化や個人情報の流出防止を求めるグループが複数あった。■

(日経サイエンス2020年4月号に掲載)
※所属・肩書きは掲載当時

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協力:日経サイエンス 日本経済新聞社