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理科年表が刊行90周年〜日経サイエンス2016年2月号より

記念企画として創刊号をウェブで公開

 

理科年表が刊行90周年を迎えた。暦から天文,気象,物理,化学,地学,生物,環境まで文字通り理科全般を網羅して1冊にまとめ,情報を更新して毎年刊行するデータブックは世界的に見てもまれ。1世紀近くの間,出し続けてきた例はない。11月25日刊行の平成28年版(2016年版)には刊行90周年記念で大正14年(1925年)の創刊号「理科年表 第一冊」のダイジェスト版を付録につけた。創刊号の一部ページはオフィシャルサイト(www.rikanenpyo.jp)で2016年10月末まで無料公開している(理科年表の購入者には全ページ公開)。

 

創刊号を編さんしたのは東京天文台(国立天文台の前身)。当時,東京天文台は月や惑星の運行や,日食や月食など天文現象の予報をまとめた本格的な天体暦の編さんを計画していたが,海軍の水路部にも同様の計画があり,軍事優先で水路部が編さんすることになった。東京天文台は競合を避けて小型の天体暦を発行することにした。これが理科年表刊行の発端で,以来,編さんは東京天文台(現在は国立天文台),出版は丸善(現在は丸善出版)が行っている。創刊時は334ページだったが,科学の発展につれて項目とデータが増え続け,最新版では1128ページだ。

 

理科年表は南極観測隊の必需品でもあり,南極観測船(初代は「宗谷」)の出航に間に合わせるために毎年11月の刊行になった。現在は南極観測船が途中寄港するオーストラリアのフリーマントルで積み込まれている。■

 

 

創刊90周年を迎えた「理科年表」をアンケートにご協力頂いた方に抽選でプレゼントいたします。(締切:2016年1月25日)

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ほかにも話題満載! 現在発売中の2016年2月号誌面でどうぞ。