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水星探査機MMOが完成〜日経サイエンス2015年6月号より

水星磁気圏の謎を探るため2017年1月にも旅立つ

 


IMAGE:JAXA

日欧が協力して水星を調査する「ベピコロンボ計画」の探査機MMOが完成し,3月15日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで公開された。機体は6月に欧州側に引き渡され,欧州宇宙機関(ESA)の探査機MPOと合体させた後,2017年1月にも南米の仏領ギアナからアリアン5ロケットで打ち上げる。2機体制で多面的に水星を観測する。米国による過去2度の探査で浮かび上がった様々な謎の解明に期待がかかっている。

 

MMO(Mercury Magnetospheric Orbiter)はその名の通り水星磁気圏を探査する。水星が生み出す磁場の状況を調べ,太陽風(太陽から噴出する電離ガスの流れ)と水星磁気圏との相互作用などを探る。MPO(Mercury Planetary Orbiter)は水星表面の地形や鉱物・化学組成,重力場の精密計測を担う。ミッション名は水星にゆかりの深いイタリアの天文学者ジュゼッペ・コロンボ(Giuseppe Colombo,1920~1984)にちなむ(ベピはジュゼッペの愛称)。

 

公開されたMMOの機体本体は差し渡し約1.8mの八角柱形で高さ約1m,重量約280kg(右下の写真)。水星周回軌道に入った後は毎分15回転しながら,太陽光がほぼ垂直に機体側面に当たる形で観測を行う。強烈な直射日光を受ける機体側面は鏡張りで,太陽電池は分散配置されている。機体上部の円板状のアンテナは常に地球を向くように回転する仕組みで,多層断熱材と特別開発した耐熱塗料が用いられている。観測時には機体から全長15mの電場観測用アンテナ4本と,同5mの磁場観測用マストを伸展させる。(続く)

 

 

 

続きは現在発売中の6月号誌面でどうぞ。

 

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