きょうの日経サイエンス

2012年9月2日

ダムを自然に戻すには

 荒瀬ダム(熊本県八代市)の撤去工事が始まりました(「国内初,ダム撤去着手 老朽化で熊本県,自然の状態へ」9月1日付日本経済新聞夕刊ほか各紙)。同ダムの扱いについては紆余曲折がありましたが(ウィキペディア「荒瀬ダム」参照),環境改善を目指して元の状態に戻すという選択に落ち着いたものです。

 

 ただ,単に撤去すれば生態系を回復できるというほど話は簡単ではないようです。本誌2007年6月号掲載の「ダムを自然に戻すには」は,ダム撤去の“先進国”である米国の取り組みをリポートし,思わぬマイナスの影響を避けるには細心の注意が必要であると指摘しています。

 

 球磨川の生態系を取り戻せるかどうか,今後も注目です。